2005 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザ脳症の分子モニタリングによる病態解析
Project/Area Number |
16591056
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
河島 尚志 東京医科大学, 医学部, 講師 (70224772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武隈 孝治 東京医科大学, 医学部, 助教授 (80246173)
柏木 保代 東京医科大学, 医学部, 助手 (00287129)
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Keywords | インフルエンザ脳症 / アストロサイト / NOx / IL-6 / グリア細胞 / nitrotyrosine |
Research Abstract |
本邦においてインフルエンザ脳症の多発が小児を中心に報告されて以降、米国などの諸外国においてもインフルエンザに伴う急死例の報告が続いている。この疾患では中枢神経系にウイルスは検出されておらず、脳症の病態の詳細は不明である。我々は以前より本研究においてNOxを中心とした分子モニタリングにより病態解明を試みている。本年度も検体数を増やすことと、動物実験においてその病態解明をNOを中心に試みた。結果、髄液においてNOxは高値であることと、フリーラジカルの測定により予後を迅速に知れることが知れた。髄液中のサイトカインはIL-6、TNFR1など高値をとり、迅速測定が臨床応用できることが判明した。フリーラジカルとIL-6の迅速測定を各種疾患と比較し、インフルエンザ脳症で有意に高いこと、重症度を早期に知れた。マウスの径鼻モデルでは嗅球・扁桃体を中心に感染6日にiNOS、nNOSのmRNAの発現が亢進していた。また、TNFやIL-6は脳全体でmRNAでの発現を認めた。病理学的には海馬・扁桃体領域を中心に血管拡張とその周囲におけるアストロサイトの活性化が起っていた。さらにNOによる障害を示すnitrotyrosineが海馬・扁桃体領域に血管拡張部位に認められた。これらの結果からインフルエンザ脳症にて病態にNOxが中心にラジカル産生とグリア細胞の活性化が考えられた。これに伴うBBBの破綻が脳症の予後を決定するものと考えられた。さらにこれらのNOxを含めたフリーラジカルを早期に測定することで治療方針が立てられることが判明した。
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Research Products
(6 results)