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2006 Fiscal Year Annual Research Report

小児の造血障害疾患病像移行と残存造血能に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 16591058
Research InstitutionToho University

Principal Investigator

小原 明  東邦大学, 医学部, 教授 (00142498)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小嶋 靖子  東邦大学, 医学部, 助手 (80408781)
三井 一賢  東邦大学, 医学部, 助手 (80349919)
Keywords造血障害 / 再生不良性貧血 / 骨髄異形成症候群
Research Abstract

研究の目的
白血病・MDSと再生不良性貧血の両疾患は、その境界の不明瞭さが改めて認識されている。
本研究は、診断時骨髄細胞の形態観察と染色体分析・残存造血能の結果を、症例の追跡調査と同期した前方視的研究として行い、以下の3点を達成する。1.再不貧・MDS鑑別細胞形態スコアリングシステムの開発。2.再不貧・MDS症例における白血病化リスクによる染色体異常リスク分類の確立。3.治療前後の残像造血能評価システムの開発。
平成18年度の研究成果
1.再生不良性貧血とMDS両疾患の境界領域症例の抽出を目的に、小児血液学会再不貧委員会の再不貧データベースと、同学会骨髄異形成症候群委員会のMDSデータベースを診断年度で突き合わせを行い、特に中等症再不貧と不応性貧血の臨床所見の長期観察、治療必要性、予後について検討した。その結果、a.overt leukemiaに移行する頻度はいずれの疾患でも低い。b.輸血依存症例は早期に同種移植を受けており、自然予後は解析が困難。c.診断時骨髄検査ではいずれの病型ともに異形成が少なからず存在し、中央診断が必要。d.無効造血を反映する診断時赤血球MCV値は、いずれの病型でも高値を示し、典型的な重症再不貧(急性発症)では正常値を示すことと対照的な測定値を示す。e.免疫抑制療法に対する反応性は、前方視的治療研究で明らかにされるべきであるが、後方視的検討では反応性50-60%と、両病型で差を認めない。(2006年4月国際小児MDS会議(ドイツ)において発表。論文執筆中)
2.細胞形態スコアリングシステム開発:標本収集の遅滞により本年度は目標を達成できなかった。
3.残像造血能評価システムの開発:骨髄細胞の多次元フローサイトメトリー法を用いた造血再構築評価を試みた。対象は、MDS-RAとの鑑別が必要かつ無治療で観察可能な中等症再不貧症例とした。診断後6か月毎の骨髄細胞を検体として観察した。その結果、診断時には造血細胞(骨髄細胞系列)が著減し、Bリンパ球系列の分化も偏りが観察されていたが、末梢血所見がやや改善した1年後には造血細胞系列の成熟障害と、リンパ球成熟pathwayの障害も正常化傾向が観察された。この間、従来の骨髄塗抹標本観察では、造血状態の改善は明らかではなかった。従って、造血障害疾患の残像造血能の解析方法として、多次元フローサイトメトリー法は有用な検査法の一つである可能性が示唆された。

  • Research Products

    (1 results)

All 2007

All Book (1 results)

  • [Book] Annual Review 血液2007 免疫抑制療法で治療された小児再生不良性貧血の長期予後2007

    • Author(s)
      小原 明(分担)
    • Total Pages
      7
    • Publisher
      中外医学社

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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