2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインチップを用いた川崎病の原因蛋白質、冠動脈病変発症に関わる蛋白質の探求
Project/Area Number |
16591061
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
上砂 光裕 日本医科大学, 医学部, 講師 (20256928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 健 日本医科大学, 医学部, 助教授 (70277490)
小川 俊一 日本医科大学, 医学部, 教授 (50194436)
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Keywords | 川崎病 / プロテインチップ / 蛋白発現解析 |
Research Abstract |
川崎病の原因および、病態発現に関わる蛋白質の同定を目的として、サイファージェン社製プロテインチップシステムを用いた。インフォームドコンセントが得られた川崎病罹患児の急性期(γグロブリン投与前)の血清を対象とし、対照として川崎病回復期、あるいはCRP高値の他の熱性疾患罹患児の血清を用いた。前年度から、用いるサンプルの変性条件やチップの種類、抽出条件を変更しながら網羅的にサンプル測定を行った。チップ上のエネルギー吸収分子としてもシナピン酸とCHCAの両方で試みた。測定には、飛行時間型質量分析計を用いた。川崎病急性期と回復期、あるいは他の熱性疾患との質量分析計の結果を比較し、川崎病急性期に特異的に発現している蛋白の検出を試みた。今回の検討では、川崎病急性期と回復期における蛋白発現の比較において、急性期で二つのピーク(11.5kD、11.6kD)での発現が増加し、一つのピーク(23.5kD)で発現の減少を認めた。さらに川崎病急性期とCRP高値の炎症性疾患の蛋白発現を比較したところ、11.5kD、11.6kDの二つのピークには有意な差を認めなかったが、23.5kDのピークでは川崎病急性期においては発現の減少を認めた。現在、発現に差を認めた蛋白質の精製・同定、また検証を目的としたlarge scaleでの測定を行っている。 一方、発現に差を認める他の蛋白をより多く検出するために、得られたサンプル血清に対して、陰イオン交換レジンカラムを用いて分画を行ってから、それぞれの分画について発現蛋白の比較を行うことも試みたが、期待したほどのピーク数の増加は得られず、現時点では有意な結果は得られていない。変性条件等の前処理やチップの選択などを含めて、工夫が必要と考える。
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