2004 Fiscal Year Annual Research Report
低アレルゲン化卵白を用いた鶏卵アレルギーの寛解導入療法におけるテーラーメイド医療
Project/Area Number |
16591063
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
宇理須 厚雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (20193972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柘植 郁哉 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (00231431)
近藤 康人 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (30301641)
各務 美智子 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手
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Keywords | 加熱脱オボムコイド卵白 / 経口免疫療法 / Th1サイトカイン / Th2サイトカイン / IL-4 / IL-13 / IFN-γ / オリゴDNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
低アレルゲン化した加熱脱オボムコイド卵白入りのクッキー4枚(卵白1個分相当を含む)を4週間摂取による免疫療法を行った。対象は経口負荷試験で加熱卵白陽性12例(年齢4.2±2.7歳)と凍結乾燥卵白陽性16例(3.8±1.3歳)、経口免疫療法後の負荷試験で、加熱卵白陽性例は12例中6例が陰性化、凍結乾燥卵白陽性例16例中4例が陰性化した。 末梢血単核球を卵白抗原で7日間培養を行い、上清中のIL-4、IL-13、IFN-γをELISAで測定した。卵白抗原で刺激した単核球からRNAを抽出。RNAをもとにcDNAを合成し、さらにT7RNAポリメラーゼを使ってアンチセンスcRNAを合成した。Cyanine3とCyanine5でラベル化されたCTPを入れことによって、cRNA合成時に蛍光標識を取り込ませラベル化を行い、これらの標識されたcRNAをるオリゴDNAマイクロアレイにハイブリダイゼーションをさせた後スキャンしデータを解析した。 卵白抗原刺激による単核球からのIL-4産生能の変化率は、陰性化群(M±SD=0.63±0.44)が非陰性化群(1.46±1.35)に比べて有意(p=0.04)に低値であった。IL-13の変化率は、陰性化群(0.63±0.35)と非陰性化群(1.09±1.07)の間において有意差(p=0.503)はなかった。IFN-γの変化率は、陰性化群(0.99±1.00)が非陰性化群(5.91±8.42)よりも有意に(p=0.030)低値であった。マイクロアレイを用いた解析で、寛解非成功では不変で成功例で発現が有意に増加した遺伝子は6個、有意に低下した遺伝子は12個みつかった。今後、real time RT-PCRで確認する必要がある。加熱脱オボムコイド卵白による経口免疫療法の成功例では、Th2サイトカインだけではなく、Th1サイトカインの産生能に対して抑制する機序の存在が示唆された。
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