2005 Fiscal Year Annual Research Report
小児生活習慣病の原因としての多代謝症候群の背景因子における酸化ストレスの関与
Project/Area Number |
16591067
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health |
Principal Investigator |
土橋 一重 産業医科大学, 医学部, 助手 (60260569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝山 光太郎 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (70129310)
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Keywords | 酸化ストレス / 肥満 / 糖尿病 / アディポサイトカイン / アディポネクチン / 小児 / 脂肪細胞 / ストレプトゾトシン |
Research Abstract |
昨年度に引き続き研究を継続し、以下のことが明らかとなった。 (1)肥満児における酸化ストレス 成人ではNADPH酸化酵素系の活性化により肥満のみで酸化的ストレスが高まることが報告された。本研究では小児の肥満において、酸化ストレスの良い指標とされる血中8-epi Prostaglandin F2αレベルを測定した。肥満児で対照と比較して有意に高値であり、かつ内臓脂肪量との良い正相関が認められた。別のマーカーであるprotein carbonyl groupレベルも肥満児で高値であった。すなわち小児でも肥満によって酸化的ストレスが高まることが示唆された。 (2)1型糖尿病患児およびストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットにおけるアディポネクチンレベル 2型糖尿病とは対照的に1型糖尿病では、血中アディポネクチンレベルが高値になるとされている。しかしその機序は不明であった。また小児糖尿病例における変動も不明であった。昨年度の検討で、血中アディポネクチンは1型糖尿病自体で上昇するのではなく、インスリン治療によって高まる可能性が高いことが判明し、今年度、世界に先駆けてこの成績を糖尿病学会誌に発表した。また、ストレプトゾトシン投与で1型糖尿病モデルラットを作製し、アディポネクチンが上昇するか否かを検討したが、やはり、1型糖尿病自体ではアディポネクチンレベルの上昇は認められなかった。ストレプトゾトシン糖尿病ラットでの成績もこれまでになく、このラットでの成績も今年度、発表した。 (3)肥満児における生活活動度と合併症との関連性 肥満児における生活活動性についてスズケン社製メモリー付き歩数計で調べ、1日歩数と各種血液指標との関連性を検討した。その結果、1日歩数はインスリン抵抗性と強い相関を認め、また、動脈硬化性リポ蛋白の変動にも関与していることが明らかとなった。この成績は、現在論文にまとめている。
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Research Products
(7 results)