2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウムチャネル遺伝子異常により引き起こされるてんかんの発症機構の解明
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16591068
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山川 和弘 独立行政法人理化学研究所, 神経遺伝研究チーム, チームリーダー (30241235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻原 郁夫 独立行政法人理化学研究所, 神経遺伝研究チーム, 研究員 (30373286)
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Keywords | てんかん / ナトリウムチャネル / 遺伝子 / SCN2A / SMEI / GEFS_+ / ナンセンス変異 / パッチクランプ法 |
Research Abstract |
電位依存性ナトリウムチャネルでは、ナトリウムチャネルαサブユニット1型蛋白(Nav1.1)をコードするSCN1A遺伝子と、β1サブユニットをコードするSCN1B遺伝子のそれぞれで、比較的軽症でてんかん発作のみを主に示す特発性てんかんの一種(熱性痙攣プラス)におけるミスセンス変異が報告されている。また最近では、難治で重い精神発達障害を特徴とする乳児重症ミオクロニーてんかんでもSCN1A変異(特にナンセンスなどの分断変異)が同定され、多くの興味を引いている。我々は以前(2001年)、熱性痙攣プラス類似例の発症につながるナトリウムチャネルαサブユニット2型遺伝子(SCN2A)のミスセンス変異を世界で初めて報告した。今回の研究課題において、我々は知能障害を伴う難治で重篤なてんかんにおいてSCN2Aのナンセンス変異(R102X)を発見し、更にホールセルパッチクランプ法などにより、この変異によって分断された蛋白が残された正常チャネル蛋白の機能に影響を及ぼす可能性があることを見いだし、論文として報告した(Kamiya et al.,J.Neurosci.2004)。重篤度が大きく異なるてんかんにおいて同一遺伝子の異なる型の変異がそれぞれ見出されることはSCN1A遺伝子で知られていたが、脳内分布も神経細胞内分布も異なるチャネルをコードするSCN2Aでも確認されたこと、更に分断蛋白が正常チャネル蛋白の機能を変化させ発症につながる可能性が示されたことは、てんかんの発症メカニズムの理解、治療法の開発に大きく寄与するものである。現在、SCN2A-R102Xナンセンス変異を持つノックインマウスの作成、SCN2A KOマウスのけいれん準備性解析、行動解析などが進行中である。
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Research Products
(1 results)