2004 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎の難治化機序の解析と遺伝子療法の開発に関する研究
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16591089
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
横関 博雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90210608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 貴浩 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30235361)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 核酸医薬療法 / 遺伝子治療 / STAT6 / Th2 cytokine / 肥満細胞 / IgE / 遅発型反応 |
Research Abstract |
今までに、我々はSTAT6 decoy ODNが抗原特異的IgE誘導性遅発型反応、接触過敏症の耳介腫脹反応を抑制することを明らかにした。近年、TNP特異的なIgE遺伝子を導入したtransgenicマウスが確立された。このマウスは耳介皮下にTNP-OVAを単回投与すると即時型反応(第1相)ならびに遅延型反応(第2相)の耳介腫脹反応が現れ、さらに3〜4日目より第1相、第2相を凌ぐ第3相の耳介腫脹反応を示す。また、この反応は抗TNP-IgE抗体を受動感作させることによっても誘導できる。今回、このモデルを用いてSTAT6 decoy ODNの有用性を検討した。マウスの尾静脈に300μgの抗TNP-IgE抗体を投与し受動感作させ、耳介に約0.3nmol/earのSTAT6 decoy ODNを皮下投与した。1日後に10μg/earのTNP-OVAを耳介に皮下注射し、第3相耳介腫脹反応について病理組織、およびELISA法による組織中のサイトカイン・ケモカイン量を検討した。陰性対照群には10μg/earのOVAを皮下注射した。STAT6 decoy ODN投与群は陽性対照群、Scrambled decoy ODN投与群に比較して耳介腫脹反応が抑制され、病理組織学的に、浸潤する好酸球、好中球、肥満細胞、脱顆粒した肥満細胞、リンパ球の数が減少した。さらに、組織中のIL-4、IL-13、Eotaxinなどの蛋白量も減少した。 STAT6 decoy ODNがIgE誘導性の第3相耳介腫脹反応を抑制したことから、IgE依存性炎症反応に対する遺伝子治療の可能性が示唆された。
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