2005 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎の難治化機序の解析と遺伝子療法の開発に関する研究
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16591089
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
横関 博雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90210608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 貴浩 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30235361)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / おとり型核酸医薬 / 遺伝子療法 / STAT6 / Th2 cytokine / 好酸球 / 肥満細胞 / 好塩基球 |
Research Abstract |
アトピー性皮膚炎モデルマウスを用いたSTAT6 Decoy投与による遺伝子治療の開発 我々はすでにアトピー性皮膚炎のモデルマウスとして抗原特異的IgE(anti-DNP-IgE)誘導性の遅発反応にて湿疹反応が生じることを報告している。このモデルマウスを用いて核酸医薬であるSTAT6デコイが有効であることはすでに確認した。本研究では、さらにアトピー性皮膚炎のモデルマウスとして抗原特異的IgE遺伝子導入マウス、ハプテン連続塗布マウスを用いて核酸医薬であるSTAT6 Decoy DNA効果を解析した。さらに核酸医薬のデコイ投与により各種のアトピー性皮膚炎モデルマウスの炎症反応が抑制ことが確認されているため、この抑制機序の解析。デコイ以外の抑制因子の検出も行なった。その結果、ハプテン連続塗布マウス、抗原特異的IgE遺伝子導入マウスともにSTAT6デコイが有効であることも明らかにした。また、STAT6デコイの抑制機序の解析のため惹起皮膚のサイトカイン、ケモカインレベルを解析した。その結果、STAT6デコイ投与群では優位にTh2サイトカイン、ケモカイン(IL-4,IL-13,IL-5,MDC,Eotaxin)が低下していた。また、肥満細胞、好酸球、Tリンパ球の浸潤も抑制されていた。 STAT6 Decoy DNA(おとり型DNA)の投与方法の確立 ラベルした種々のサイズのSTAT6 Decoy DNAを作成し、HVJ-liposomeに組み込みマウスに外用もしくは皮内注射、軟膏外用などのの方法によりに投与後皮膚を採取し蛍光顕微鏡にてSTAT6 Decoyが皮膚、リンパ節細胞、顆粒球に取り込めれているかを確認した。また、惹起後の皮膚の核内蛋白を抽出してGel shift asseyを用いてSTAT6,が核内に結合するのを抑制していることを明らかにした。興味深いことに、2% STAT6 decoy軟膏の外用で皮膚真皮の浸潤細胞の核内にSTAT6 decoyが取り込まれていた。 ハプテン連続塗布マウスへのSTAT6 decoy外用剤の効果 ハプテン連続塗布マウスにSTAT6 decoy軟膏を外用したところpositive controlに比べ40%耳介腫脹反応を抑制した。臨床的な外用剤の応用の可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)