2004 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚硬化発症の病態におけるアポトーシス機構の分子生物学的解析
Project/Area Number |
16591090
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山本 俊幸 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (30242192)
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Keywords | 皮膚硬化 / 強皮症 / 動物モデル / ブレオマイシン |
Research Abstract |
我々はこれまで、マウスの皮膚硬化モデルを確立し、このモデルを用いて皮膚硬化の発症機構を検討してきた。本検討では皮膚硬化の発症メカニズムにおけるアポトーシスの関与を検討した。 まず、ブレオマイシン誘導性皮膚硬化モデルマウスの皮膚病変部において、アポトーシスが亢進してみられることを、TUNEL assayおよびDNA gel electrophoresis法により検出した。さらに、皮膚病変部におけるFas/FasLの発現の増強を蛋白およびmRNAレベルで示し、アポトーシスの実行経路であるcaspase-3の発現増強および活性の亢進も確認された。またブレオマイシンの局所投与とともに抗FasL中和抗体を頻回に全身投与することで、皮膚硬化の誘導が抑制されることを見い出した。さらに検討を進め、Fas/FasLの重要性を確認するため、Fas、FasL欠損マウスである、lpr, gldマウスを用いて皮膚硬化の誘導が抑制されうるかを調べた。コントロールのブレオマイシン処理群に比較し、Fas, FasL欠損マウスではいずれも組織学的に皮膚硬化の抑制がみられた。さらに、真皮の厚さ、皮膚のコラーゲン含有量ともにlpr, gldマウスはいずれもWild typeに比較して有意に減少してみられた。TUNEL陽性細胞数はいずれの系統でも有意に減少してみられた。これらの結果は、ブレオマイシン誘導性皮膚硬化の発症における、FasおよびFasLの重要性を支持するものと考えられた。しかし、Fas/FasL以外のアポトーシス調節因子(p53など)もupregulateされてみられることも確認されており、さらなる検討を予定している。
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Research Products
(5 results)