2005 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚硬化発症の病態におけるアポトーシス機構の分子生物学的解析
Project/Area Number |
16591090
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山本 俊幸 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (30242192)
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Keywords | 強皮症 / 動物モデル / ブレオマイシン / アポトーシス / 線維化 |
Research Abstract |
ヒト汎発性強皮症は皮膚を始めとする諸臓器に線維化・硬化を引き起こす原因不明の難治疾患である。強皮症の病態において、TGF-βが中心的な役割を果たすことが示唆されているが、他にもconnective tissue growth factor(CTGF),Th2型サイトカイン、ケモカイン、CD40/CD40L分子、アポトーシス、活性酸素なども、線維芽細胞や血管内皮細胞と相互に影響を及ぼしながら線維化の誘導に関与していることが想定される。本研究においては、われわれの確立した、ブレオマイシン誘導性皮膚硬化モデルマウスを用いて、皮膚硬化発症機序における炎症・免疫担当細胞とサイトカイン・ケモカインのクロストークやシグナル伝達のメカニズム、インテグリン、アポトーシス、酸素ストレスの関与を検討した。その結果、ブレオマイシン誘導性皮膚硬化病変部においてはアポトーシスが誘導されていること、Fas/FasL(Apo-1L)を介する経路が主であり、抗FasL抗体の投与により皮膚硬化の誘導も抑制されてみられた。またFas,FasL欠損マウスにおいては、ブレオマイシンによる皮膚硬化の誘導が抑制されてみられ、このモデルにおいてはFas/FasLの経路が有用な役割を果たしていることが示唆された。さらに、病変部皮膚において、p53,p21の発現も亢進してみられた。このモデルにおけるアポトーシスの発現には、Fas/FasLを介する経路だけでなく、p53の介在も示唆された。今後は、TRAILの関与も検討していく予定である。
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Research Products
(5 results)