2005 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルス関連皮膚疾患における宿主免疫応答の解析
Project/Area Number |
16591099
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
辻 和英 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30304356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩月 啓氏 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80126797)
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Keywords | EBウイルス / ペプチド / 腫瘍免疫 / 慢性活動性EBウイルス感染症 / CTL |
Research Abstract |
日本全国から当科に紹介を受けた皮膚病変を伴った慢性活動性EBV感染症や蚊刺過敏症の症例から、EBV潜伏感染パターンを統計学的に解析し、臨床的側面から解析を行った。研究対象とする疾患は,EBウイルス潜伏感染を伴なうNK/T細胞増殖性皮膚疾患や非ウイルス性皮膚悪性リンパ腫、種痘様水疱症,蚊刺過敏症,慢性活動性EBウイルス感染症,鼻および鼻性リンパ腫などである.患者の同意を得て、臨床症状および病理組織学的検討を行ない,確定診断を行うと同時に、EBウイルス潜伏感染のスクリーニングテストを実施した.ウイルス関連抗原発現の検討を、In situハイブリダイゼーション法,PCR法,ザザンプロット法,免疫染色法により行った。検体採取時には患者の同意を得て、cDNA試料やHLAのタイプに関する情報管理はコード番号などを用いて行ない,個人の特定あるいは情報の漏洩がないように留意した。 EBウイルス感染ヒトNK/Tリンパ腫瘍細胞株の確立 患者末梢血からNK/T細胞のポリクローンおよびクローン細胞株を樹立しているが、これらの細胞株は、BamH1制限酵素をもちいたサザンプロット法によりEBV感染細胞のモノクローナルな増殖が認められるCD3陽性、CD56陽性細胞株だけではないことを確認した。樹立した細胞株は、EBNA-1とLMPを発現しているが,その他のウイルス抗原の発現は制限されたLatency II型で、in vitroにおいて長期間増殖を続けた。しかし、Asialo-GM1投与にて前処理を行いマウスNK細胞を除去したNOD-SCIDマウスに、1x10^7個の腫瘍細胞を移植を試みても、in vivoでの腫瘍原性は確認できなかった。CTLによる解析を行う上で、腫瘍性増殖を示すクローンの確立も重要と考えられ、さらに他の細胞株で腫瘍樹立が可能かどうか検討を重ね、数多くの細胞株を樹立した。 腫瘍株に対する免疫応答の解析 現在までに、樹立したEB感染細胞株に対する宿主の細胞性免疫については確認できたが、EBウイルス感染NK細胞自体の細胞障害活性は認められなかった。また、これまでの研究で樹立したBBウイルス感染細胞株の産生するサイトカインのパターンは、個々の細胞株により異なることがわかった。
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