2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト表皮角化細胞における幹細胞としてのSP細胞の機能解析
Project/Area Number |
16591102
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
亀田 健治 愛媛大学, 総合科学研究支援センター, 助手 (60363264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白方 裕司 愛媛大学, 医学部, 助手 (50226320)
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Keywords | ヒト表皮角化細胞 / 幹細胞 / SP細胞 / セルソーター |
Research Abstract |
手術時に得た余剰な正常ヒト皮膚組織を採取し、今回、SP細胞(Side population cells)の機能解析の基礎実験を行った(患者さんにはコンセンサスを得て本大学臨床倫理委員会承認済み)。細胞の分離は、マウスの方法に準じて行った。すなわち、エタノールで消毒した後、トリプシンにより37℃で10分間処理し細胞を分離させる。セルストレーナーに通し、1000rpm、10分間遠心して単細胞を組織から単離した。また、細胞染色に使用するヘキスト33342の至適濃度、反応時間をそれぞれ検討した結果、最終濃度が5μg/mlで90分(37℃)反応させる条件が、染色効率および再現性において最適であることが明らかになった。セルソーティングは、ベックマンコールターのALTRAを用いて行った。シース圧は、8.00〜10.00psiの範囲で検討した結果、感度、安定性および精度において総合的に判断した結果9.00psiが最適であることが明らかになった。次に、UVレーザーの出力について検討した。一般的に出力は20〜100mWが最適と言われている。出力が低いと感度は低いが細胞への傷害は低く抑えられる。一方、高いと感度は上がるが細胞への傷害も高くなる。詳細に検討した結果、50mWがレーザーの出力の安定性、感度および細胞への傷害度において最適であることが判った。ヒト皮膚組織においてのSP細胞の割合は個体差はあるが約5%以下であった。そのSP細胞分画はベラパミルにより殆ど完全に消滅した。また、ソーティングの回収率は98%以上であった。今後、SP細胞分画を無菌ソーティングし、その細胞群の詳細な探求(2次元電機泳動、マイクロアレイ等)を進める予定である。
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