2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト乳頭腫ウイルス型特異的細胞変性効果に関する分子病理学的研究
Project/Area Number |
16591105
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
江川 清文 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (50183215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 由美 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (00284761)
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Keywords | ヒトパピローマウイルス / HPV / HPV型特異的細胞変性効果 / 細胞質内封入体 / inclusion warts / 感染標的 / エックリン汗管 / 表皮幹細胞 |
Research Abstract |
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染による細胞の増殖や分化の異常が原因HPVの型特異的であることは「HPV型特異的細胞変性効果」と呼ばれ、そのメカニズム解明は重要な研究課題となっている。また、皮膚型と粘膜型に分類されるように、HPVの感染様式もまたHPV型特異的であることが解かっている。このことは、HPVの標的細胞の種類とその解剖学的分布がHPV型ごとに異なることを示している。現在までの「封入体疣贅」を対象とした研究において、HPV感染に伴う新しい臨床・病理組織像を発見・記載すると共に、これらの原因HPV型を発見して来た。今年度の研究においては、前回の研究期間中に発見した新細胞質内封入体について病理組織学的検討を行うと共に、同封入体を有する疣贅からクローニングに成功した新HPV型(HPV95型)の全塩基配列の解析を終了した(Br J Dermatol, in press)。HPV型特異的感染部位親和性に関しては、前回の研究で、手掌足底においては、ある種のHPVが、この部の表皮幹細胞の存在部位と考えられている深表皮突起最深部の細胞を標的とすることや、それらがエックリン汗腺関連細胞である可能性を明らかにした。有毛部皮膚では、HPVがこの部の表皮幹細胞の存在部位と考えられている毛隆起部細胞を標的とする可能性が明らかになりつつある。これらの結果を併せて、HPVが普遍的に表皮幹細胞を標的とすること、およびHPV型特異的感染部位親和性のメカニズムとして解剖学的部位により表皮幹細胞の性状が異なる可能性があり、HPVは型特異的にこれらを認識し標的としている仮説を提唱した.今年度、HPV63型をモデルに検討した結果、HPV63の初期感染病巣が、例外なくエックリン汗管上皮に関連して形成されることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)