2005 Fiscal Year Annual Research Report
プリオン蛋白による皮膚特異的樹状細胞の転写調節因子の制御に関する研究
Project/Area Number |
16591107
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
中村 晃一郎 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (60175502)
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Keywords | prion / 樹状細胞 |
Research Abstract |
Prionは正常prion蛋白が構造上変異を起こし変異型prion蛋白が蓄積することによって生じる変性疾患である。変異型Prion蛋白の生体内への取り込みは、樹状細胞によって担われることが明らかにされ、濾胞樹状細胞によって取り込まれ、組織への伝盤が行われることが明らかにされている。また濾胞樹状細胞を介する経路は、TNF-αを介することが明らかにされている。皮膚には樹状細胞として、皮膚樹状細胞(ランゲルハンス細胞:LC)が存在し、外界からの抗原を取り込み、獲得免疫を開始する細胞である。末梢血の単球由来樹状細胞(MoDC)からLCが誘導される。そこで末梢血単球よりMoDCを誘導し、正常型prionを取り込ませた場合に、MoDCのTNF-α産生能が変化するかについて検討した。MoDCsに正常型prion(25μM)を取り込ませ、24時間後のTNF-α産生を検討すると、TNF-α産生は著明に増加した(295.8pg/ml vs 148.7pg/ml(無刺激))。このTNF-α産生は、curcumin(10nM)、wortmannin(10nM)、LY294002(10nM)によって抑制された(各々26.2pg/ml、10.9pg/ml、132.4pg/ml)。Immunoblot法によってLY294002、wortmanninはIκBのリン酸化、NFκBのリン酸化を抑制することが明らかにされた。以上の結果から、正常型prion蛋白はMoDCsのTNF-α産生を誘導し、この産生にPI3kinaseを介する系が存在することが示された。TNF-αが異常型prion蛋白の伝盤に関与することから、MoDCsでのTNF-α産生におけるPI3kinaseを制御することがprion病の伝盤の抑制につながる可能性が示された。
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Research Products
(6 results)