2004 Fiscal Year Annual Research Report
蚊アレルギーにおけるEBウイルス再活性化およびNK細胞の発癌機の研究
Project/Area Number |
16591113
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
浅田 秀夫 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (60252681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新関 寛徳 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (10228124)
宮川 幸子 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30094626)
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Keywords | 蚊アレルギー / EBウイルス / 再活性化 / 発癌遺伝子 / NK細胞 / CD4+T細胞 |
Research Abstract |
EBウイルス(EBV)が感染したNK細胞増殖症では、しばしば蚊刺に対する激しい局所反応と、発熱・リンパ節腫張・肝脾腫などの全身反応を呈する「蚊アレルギー」と呼ばれる特異な症状が見られることが知られている。我々は、蚊アレルギーを呈したEBV感染NK細胞増殖症患者について免疫学的に検討し、蚊唾液腺抗原刺激がCD4(+)T細胞を活性化し、この活性化T細胞を介して引き起こされるNK細胞からのEBVの再活性化が蚊アレルギーの病態形成に深く関わっている可能性を明らかにしてきた。また一方、このCD4(+)T細胞は、EBV感染NK細胞に作用し、ウイルス発癌遺伝子LMP1の発現を増強してNK細胞の増殖を亢進させることもみいだした。現在、CD4(+)T細胞からのいかなる刺激がNK細胞の発癌あるいはEBVの再活性化に働いているのかを解析する目的で、患者由来の蚊抗原特異的CD4(+)T細胞ならびにEBV感染NK細胞の培養株の樹立を試み、蚊アレルギー患者の2症例からNK細胞の長期培養細胞を確立しつつある。また、蚊唾液腺抗原刺激により患者CD4(+)T細胞から分泌されるサイトカインを検討した結果、IL-2、IL-10、TNFαの発現増強がmRNAレベル、蛋白レベルで明らかとなった。これらのサイトカインが、EBV感染NK細胞の増殖ならびにEBVの再活性化におよぼす影響を現在研究中である。さらに、アンピシリンによる薬疹において皮疹の出現に一致して、血中EBV DNAレベルが上昇する症例をみいだし、EBVの再活性化が、蚊アレルギー以外のアレルギー疾患とも深く関わっていることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)