2005 Fiscal Year Annual Research Report
膠原病の皮膚症状に関与するヒスタミンレセプターと免疫担当細胞の相互作用の研究
Project/Area Number |
16591115
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
古川 福実 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40156964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 稔男 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (10326366)
山本 有紀 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90316117)
西出 武司 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (70347590)
貴志 知生 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (10336878)
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Keywords | SLE / MRL / lマウス / 皮膚 / 肥満細胞 / Th1 / Th2 / サイトカイン |
Research Abstract |
膠原病の一つSLEの自然発症モデルであるMRL/lマウス(1ヶ月齢から1ケ月毎に5ヶ月齢まで)の背部の皮膚(5ヶ月齢のものは皮疹部と無疹部)と、コントロールとして5ヶ月齢のMRL/nマウスの背部の皮膚を採取し臨床および組織学的に検討した。 5ヶ月齢のMRL/lマウスの背部に角化および脱毛様変化を伴った皮疹を認めた(67%)。トルイジンブルー染色では、皮疹部の真皮内には無疹部に比べ、有意な肥満細胞数の増加を認めた。また、MRL/lマウスの皮疹部ではTNF-",IL-2,IL-10,IL-12などのサイトカインの産生を認めたがIFN-"、IL-4などの産生は認めなかった。また、2ヶ月齢のMRL/lマウスでは皮疹を認めないものの、皮膚にIL-2の産生をRT-PCR法にて認め、その発現は皮疹の出現する5ヶ月齢まで継続的に増強した。RT-PCR法で、HR1とHR3の発現はMRL/lマウスの1ヶ月齢のマウスに最も強く認められ、皮疹発症の有無にかかわらず、加齢とともに減少する傾向にあった。また、HR2の発現は、MRL/lマウスの2ヶ月齢ごろより発現が強くなり、皮疹を有する5ヶ月齢のマウスまでその発現が持続した。しかし、5ヶ月齢のMRL/lマウスの無疹部ではHR2の発現は、2ヶ月齢のMRL/lマウスのものよりも低下した。また、5ヶ月齢のMRL/nマウスでは各月齢のMRL/lマウスよりもHR1、HR2、HR3の全ての発現が低下していた。 以上のことより、MRL/lマウスの皮疹の発症には、Th1型とTh2型のサイトカインの関与が示唆された。Th2型の免疫反応はHR2を介して誘導されているものと考えた。
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Research Products
(6 results)