2005 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤性過敏症症候群におけるNK-B細胞相互作用の解明
Project/Area Number |
16591116
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
狩野 葉子 杏林大学, 医学部, 助教授 (20142416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水川 良子 杏林大学, 医学部, 助手 (50301479)
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Keywords | DIHS / NK細胞 / B細胞 / 抗けいれん薬 / CD122 |
Research Abstract |
1.平成17年度のDIHS患者の検索から、抗けいれん薬、DDS,アロプリノール、サラゾスルファピリジンなどほとんど全てのDIHSを発症しえる薬剤でIgG, IgMが低下し、CD19+細胞(B細胞)の数が低下していることを確認した。さらに、DIHS患者においてNK細胞におけるIL-15Rβ(CD122)の発現が有意に低下していることを明らかにし、DIHS患者では健常人が有している感染に対する防御機能を適切に発揮できないことが判明した。 2.多数のDIHS患者の末梢血における発症時のCD19+細胞数とNK細胞数の解析ではNK細胞数は発症時のそれと比較して1〜2週目にかけて低下が認められ、徐々に回復するが、CD19+細胞は発症時に減少しており、その後増加する傾向が確認された。また、免疫グロブリン、CD19+細胞、NK細胞の全てが増加傾向を示す状況ではsequentialなヘルペスウイルスの再活性化が生じにくい可能性が推測された。 3.ステロイドの全身投与の影響に関しては、CDI9+細胞数、NK細胞数,IgG値の変動の詳細な解析から、DIHS患者ではステロイド投与直後には減少していたCD19+細胞数は回復する傾向があるものの、その後の継続したステロイド長期投与後には、反対に徐々にCD19+細胞は減少し、その結果、免疫グロブリン産生の減少をもたらすように働くことが推測された。 4.DIHSの病態においては明らかに、ウイルス再活性化の抑制にCD19+細胞とNK細胞は相補的に作用していると推測される。今後CD8+T細胞、CD4+T細胞がこDIHSの病態にどのように関与しウイルス再活性化をもたらすのか解明する必要がある。
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Research Products
(6 results)