2004 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイドベータは細胞内でどのように分解されるのか?
Project/Area Number |
16591132
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田上 真次 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40362735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河内 正康 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90335357)
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
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Keywords | アミロイドベータの分解 / BACE / ガンマセクレターゼ / cell-free BACE assay |
Research Abstract |
老人斑はアルツハイマー病(AD)脳に特異的であり、その主たる構成成分はアミロイドベータである。従ってアミロイドベータの産生及び分解機構を解明することはADの治療に直接結びつく可能性がある。我々はアミロイドベータ前駆体蛋白(ベータAPP)から、ガンマセクレターゼの基質であるCTF-ベータを切り出すベータセクレターゼ(BACE)の解析を行い、その過程で、驚くべきことにBACEがアミロイドベータ自体を基質として認識し、切断することを見出した。BACEが主として細胞内でアミロイドベータをY10とE11部位の間およびL34とM35部位の間で分解することをcell-freeガンマセクレターゼassay及びリコンビナントBACEを用いたin vitro assayの両者の系で明らかにした。またBACEを過剰発現すると、分泌されるアミロイドベータの量は減少することを明らかにした。つまりBACEはアミロイドベータの分解を促進していると考えられる。さらに、この結果より産生されたアミロイドベータが、ベータAPPからCTF-ベータを切り出すBACEの活性を阻害し得るのではないか、つまり一旦産生されたアミロイドベータが新たに産生されるアミロイドベータの量を減じるネガティブフィードバック機構が存在するのではないかと考えている。今年度、我々はペプチドを基質として用いる既存のBACE assay系に加えて、ベータAPP全長を用いてBACEの活性を見る系を新たに確立した。現在これらの系を用いて、添加したアミロイドベータが実際にBACEの活性を阻害するのかどうかを検討している。
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Research Products
(5 results)