2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳磁図と反復的経頭蓋磁気刺激による統合失調症の幻聴発生機構の解明と治療法の開発
Project/Area Number |
16591134
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石井 良平 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40372619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜飼 聡 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80324763)
岩瀬 真生 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60362711)
篠崎 和弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40215984)
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
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Keywords | 経頭蓋磁気刺激 / 脳磁図 / 統合失調症 / 幻聴 / 空間フィルタ法 / 言語 / 前頭前野 |
Research Abstract |
本研究は、幻聴と言語に関連したタスクを用いた脳機能画像法による測定から、幻聴体験に関わる脳内神経回路の時空間パターンの異常を明らかにし、いくつかの刺激条件と刺激部位でrTMS(反復的経頭蓋磁気刺激)治療を行い、治療効果を判定することを目的としている。平成16年度の主な研究実績は下記のとおりである。 1)幻聴を有する統合失調症患者の言語機能の異常を明らかにするために、まず健常被験者の言語機能を脳機能画像法で明らかにした。幻聴患者に用いる言語に関連したタスクとして、日本語に特有なしりとりゲームを用いて、健常被験者を対象に脳磁図を測定し、空間フィルタ法により解析した。その結果、両側の背外側前頭前野、下前頭回後部、上側頭回後部、一次運動野、一次視覚野などに活動源が推定された。これにより高次の言語活動にかかわる複数の脳内の神経活動を描出することが可能となり、幻聴体験に関わる脳内神経回路の時空間パターンの異常を明らかにする準備が整った。(Yamamoto et al.,Frontiers in Human Brain Topology, pp153-156,2004) 2)体性感覚誘発電位(SEP)の高周波振動HFOs(high frequency oscillations)の変化を指標として、健常者の体性感覚野に与えた低頻度のrTMS(0.5Hz、50回、運動誘発閾値の80%強度)が、皮質興奮性に与える影響について検討したところ、SEPには変化を認めない一方、HFOsの有意な増強を認めた。HFOsは皮質内GABA系抑制性介在ニューロンの活動を反映すると考えられているので、低頻度rTMSがもたらす皮質興奮性の抑制は、抑制性介在ニューロンの作用の増大を通して行われている可能性が示唆された。また、HFOsの変化が実際の刺激時間に比較して長時間にわたって認められたので、HFOsがrTMSの最適刺激条件を検討する際の客観的な指標になりえることが示された。(Ogawa et al., Neuroscience Letters, 358:193-196, 2004)
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Research Products
(7 results)