2005 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス阻害蛋白とタウ蛋白との相互作用と神経細胞死に関する研究
Project/Area Number |
16591136
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Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 稔久 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10294068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
工藤 喬 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (10273632)
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Keywords | アルツハイマー病 / タウ蛋白 / アポトーシス |
Research Abstract |
我々は今までに,神経細胞死とタウ蛋白異常リン酸化のメカニズムを検討してきた。そのなかで、アポトーシスのメカニズムに興味をいだき、内因性に細胞内に存在しカスパーゼを抑制する蛋白として知られるIAPの1つであるXIAPについて研究を行ってきた。そして、N末端のMetの除かれたタウ蛋白と特異的に結合しその機能を抑制する可能性があることを報告してきた。 GST蛋白とタウ蛋白(野生型および第1Met欠損型)との融合リコンビナント蛋白を作成し、プロテアーゼによって切断して、N末端がMetおよびAlaから始まる2種類のタウ蛋白を作成した。次に、SH-SY5Y細胞およびCOS7細胞に細胞死ストレスを与えてアポトーシスを誘導し、活性化カスパーゼを含む細胞ライセートを得る。そこに、XIAPのみ、XIAPとタウ蛋白(野生型)、およびXIAPよタウ蛋白(第1Met欠損型)を添加して、カスパーゼ活性を測定した。XIAPのみを加えたものは何も加えないものに比べて優位に活性が減弱し、XIAPとタウ蛋白(野生型)を加えてもやはり同様に減弱していた。しかし、XIAPとタウ蛋白(第1Met欠損型)を添加すると、カスパーゼ活性はXIAPのみを加えたものに比べて回復した。このことより、N末端のMetが切断されたタウ蛋白はXIAPの抗アポトーシス活性を抑制して、アポトーシス促進的に働くことが示唆された。 さらに、N末端のMet切断化タウ蛋白に対する特異抗体を作成し、ウエスタンブロット法を用いてこのN末端のMet切断化タウ蛋白の発現を抑制する物質を検索した。2価イオンであるコバルトの添加によってその発現が増強した。コバルトはメチオニンアミノペプチダーゼの活性化因子であることから、その関与が示唆された。
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[Journal Article] Alpha-synuclein-positive structures induced in leupeptin-infused rats2005
Author(s)
Nakajima T, Takauchi S, Ohara K, Kokai M, Nishii R, Maeda S, Takanaga A, Tanaka T, Takeda M, Seki M, Morita Y.
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Journal Title
Brain Research 1040
Pages: 73-80
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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[Journal Article] タウ蛋白修飾とアポトーシス阻害因子に関連するアルツハイマー病診断法と治療法の開発2005
Author(s)
田中稔久, 山森英長, Begum Nurun Nessa, Md.Golam Sadik, 工藤喬, 紙野晃人, 大河内正康, 田上真次, 福森亮雄, 金山大祐, 姜経緯, 木村亮, 武田雅俊
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Journal Title
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