2004 Fiscal Year Annual Research Report
MCI(軽度認知機能障害)から痴呆への移行に関する地域疫学調査
Project/Area Number |
16591142
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
池田 学 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60284395)
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Keywords | MCI / 痴呆 / 疫学 / 中山町研究 / 年間移行率 / 危険因子 / アルツハイマー病 / 脳血管性痴呆 |
Research Abstract |
変性性痴呆疾患に対する薬物療法を中心とした治療法の開発を背景に、加齢と痴呆の境界領域、ないし痴呆の前段階を高頻度に含むとされるMild cognitive impairment(MCI)という概念が、たいへん注目されている。本研究では、我々が平成8年から取り組んでいる地域在住高齢者の縦断的な疫学研究(中山町研究)において、現時点でほとんど明らかにされていないMCIから痴呆への移行について、年間移行率と痴呆移行に関する危険因子を明らかにする。 平成9-10年に実施した第1回中山町調査の参加者で、痴呆なしと診断され、全般的認知機能の評価尺度であるMini-Mental State Examination(MMSE)が24/30点以上(全般的認知機能障害なし)、MMSEの想起が1/3か0/3(記憶障害あり)または家族による対象者本人の記憶評価尺度であるShort Memory Questionnaire(SMQ)が39/40点以下(記憶障害あり)の者を対象に、7年以上経過した本年度に再調査することにより、MCIから痴呆への年間移行率と痴呆移行に関する危険因子を明らかにする。 対象者とその家族全員に対して、老年精神医学を専門とする精神科医と中山町の保健師が共同で、集落の公民館ないし自宅に訪問して調査を実施した。また、施設入所者と入院患者についても可能な限り訪問調査を実施した。医師は、対象者本人にMMSEを再度実施するとともに十分な医学的問診を行い、保健師は、対象者の家族に対してSMQを再度実施するとともに、食生活、睡眠状況、既往症、飲酒歴、日常生活活動(ADL)などの聞き取り調査を実施した。現在まで、対象者約1500人(参加見込み1200人)のうち既に約1050人に調査を実施し、データベースへの入力に着手した。
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Research Products
(7 results)