2005 Fiscal Year Annual Research Report
強迫性障害患者におけるセロトニン・ドーパミン関連蛋白の多型に関する遺伝学的検討
Project/Area Number |
16591154
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松永 寿人 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20254394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 徳造 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90305623)
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Keywords | 強迫性障害 / 遺伝学的検討 / 多様性 / 衝動性 / SSRI / 薬物療法 / 強迫スペクトラム障害 / 特定の恐怖症 |
Research Abstract |
我々は、2000年度基盤研究(C)を用いた研究結果を基盤に、OCD患者を対象とした、遺伝子他型を用いた連鎖研究や相関研究により候補遺伝子の分析を行い、疾患遺伝子の検索、臨床症状との関連性に関する研究を試みた。具体的には、セロトニントランスポーター(5-HTT)、カテコール-O-メチルトランスフエラーゼ(COMT)、ドーパミンD4受容体(DRD4)を対象とした。その手順は、大阪市立大学医学部倫理委員会から承認を得た方法に則り、提供者(患者)へのインフォームド・コンセントの手続きや方法、匿名化を主体とした個人情報の保護、遺伝情報の開示、提供された資料などの廃棄方法や匿名化、遺伝カウンセリングの体制整備などに配慮、特にインフォームド・コンセントの取得においては、口頭、及び文章により、本研究の目的や意義、方法、危険性、参加・拒否の自由、拒否した場合にも治療的不利益を生じない点などに関しても十分な説明を行い、書面にて同意取得を試みた。現在、実際に同意取得まで至り採血が実施しえた患者数は68例であり、当初の予想を下回っている。これには、OCDという不安障害の特性、特に遺伝的因子の関与に強い不安を感じたり、血液に関する不安から採血自体に抵抗したりし、拒否される場合が多かった。この為、今後も100例を目標に、この研究は継続し、解析後、関連学会、ならび国際誌に投稿する予定である。 一方、この一連の研究成果として、衝動性を軸としたOCDの多様性に関する報告を英文雑誌に行った。更には、難治性患者の治療を検討する中で、SSRIと塩酸perospironeとの併用療法の有効性も英文誌に投稿し、現在印刷中である。更には、特定の恐怖症について、OCDとの関連性を踏まえて検証し、これも現在印刷中である。これらの研究成果が評価され、American Psychiatric Associationの「The future of psychiatric diagnosis ; Refining the research agenda Obsessive-compulsive Spectrum Disorders DRAFT conference program」のメンバーに選任された。本会議は六月、Washington DCで開催され、今後この視点からも、臨床的研究を発展させる予定である。
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Research Products
(7 results)