2006 Fiscal Year Annual Research Report
看護師の心理・環境要因と業務上のインシデント・アクシデントとの因果関係
Project/Area Number |
16591159
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
田中 克俊 北里大学, 大学院医療系研究科, 助教授 (30365176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮岡 等 北里大学, 医学部, 教授 (40209862)
大坪 天平 昭和大学, 医学部, 助教授 (20245856)
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Keywords | 医療事故 / 看護師 / 抑うつ / ストレス |
Research Abstract |
本研究の参加対象である北里大学病院,北里大学東病院,昭和大学病院,昭和大学東病院,昭和大学烏山病院に勤務する看護師(1800名)を対象に下記内容の調査を行った。(コホート研究) (調査の内容) (1)基本属性(性,年齢),生活状況(睡眠,飲酒習慣,居住環境),勤務状況(所属,勤務年数,交替勤務の状況など) (2)対象者が最近6ヵ月間に経験したインシデントとアクシデントの頻度 (3)ナーシングストレス尺度:看護師のストレッサーを測定(34項目) (4)セルフエフィカシー尺度:仕事および個人生活における自己効力感を測定(24項目) (5)努カ-報酬不均衡モデル:主観的努力感と報酬(経済的報酬・心理的報酬・キャリア面での報酬)とのバランスを測定(23項目) (6)Hospital Anxiety Depression Scale (HADS):抑うつおよび不安状態を測定(14項目) 縦断データを投入した因果関係分析(共分散構造分析)の結果、看護師の抑うつと勤務中の眠気の2つが業務中の注意力を低下させインシデント・アクシデントの有意な原因となることが示された。看護師の抑うつは自己効力感やオーバーコミットメント、周囲からのサポート、業務上のストレスと有意な関連を示し、勤務中の眠気は交代勤務の有無と関連していた。本研究はこれまで行われてこなかった医療事故とヒューマンエラーについての根本原因分析研究であり、今後看護師によるヒューマンエラーを防止するために抑うつ予防対策と交代勤務者に対するケアが重要であることが示された。尚本研究については現在英語論文を作成し投稿中である。
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