2005 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症の認知機能のfMRI、ERP、LORETAを用いた統合的検討
Project/Area Number |
16591161
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
桐野 衛二 順天堂大学, 医学部, 助教授 (90276460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲見 理絵 順天堂大学, 医学部, 助手 (50338331)
池田 千佐子 順天堂大学, 医学部, 助手 (30317383)
福田 麻由子 順天堂大学, 医学部, 助手 (00348989)
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Keywords | functional MRI / 事象関連電位 / 統合失調症 / LORETA / 顔認知 |
Research Abstract |
functionalMRI (fMRI)の空間解像度と事象関連電位(event-related potentials : ERP)の時間解像度の利点を生かし、両方法論を双補的に用いて健常者と統合失調症の高次脳機能障害を検討した。ERPにおいては活動源推定をLORETA(low resolution brain electromagnetic tomography)を用い、両方法論の統合的検討を図った。「目及び目の動き認知」では統合失調症の「目」および「目の動き」認知が障害されている可能性が示唆された。「錯覚的輪郭線認知」では、錯覚的輪郭線認知においてAtypical(非定型抗精神病薬)群とTypical(定型抗精神病薬)群の比較をおこなった。非定型抗精神病薬の認知機能改善効果が定型薬よりも優ることを示唆する所見と考えられた。「global-local処理」においては、統合失調症患者は、視覚認知の統合性を要求されるGlobal-attentionや注意の頻回の切り替えを要求されるGlobal/Local-attentionで、V I-V IIでの早期の視覚情報処理が不十分のため、その後の処理段階に負荷がかかると推察された。「反応競合下の前頭前野機能」においては、患者群は対照群と比べ反応競合下の前部帯状回(anterior cingulate cortex : ACC)の活性は低かった。活性のlateralityについては、左側において、より健常対照群との差が大きく認められ、左側帯状回の機能異常の可能性も示唆された。統合失調症患者のワーキングメモリーシステムの障害は下位システムレベルではSlave SystemよりCentral Executive Systemの機能の障害により起因すると推察された。
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