2006 Fiscal Year Annual Research Report
光トポグラフィーを用いた高齢者の運転能力と作動記憶の評価
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16591163
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
三村 將 昭和大学, 医学部, 助教授 (00190728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 満 昭和大学, 医学部, 教授 (20161375)
中込 和幸 鳥取大学, 医学部, 教授 (30198056)
大坪 天平 昭和大学, 医学部, 助教授 (20245856)
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Keywords | driving / Alzheimer' s disease / mild cognitive impairment / near infra-red spectroscopy / simulator / aging / frontal lobe / risk |
Research Abstract |
研究の最終年度にあたる本年度はまず、前年度に引き続き、近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)装置Hitachi ETG 4000と運転シミュレータTeddyを用いて、昭和大学東病院・精神神経科外来の神経生理検査室内で運転能力に関するNIRS実験を継続した。研究協力者の協力を得て、研究終了段階での最終的な被験者数は、高齢健常者53名、若年健常者32名、軽度認知症患者14名、局在性脳損傷患者13名、うつ病患者17名であった。課題としては、昨年度と同様に、安全場面の走行中と危険場面の走行中とを比較する実験を継続したが、本年はさらに、若年・高齢健常群を対象として、安全場面を実際に運転している条件と、画面を黙視している条件との比較を行った。得られた結果は平成19年1月より最終的な解析を行った。 黙視している条件と比較して、実際に運転している条件では、左右前頭前野外側領域の酸化Hbの上昇とともに、正中・内側領域においてはむしろ減少がみられ、この点は運転遂行に伴うdefaultmode状況を反映していると推測された。また、危険場面の走行中には、まず行動指標として、高齢健常者において、アクセル→ブレーキへの明らかな反応ピークが観察された。若年健常者ではこの反応ピークはむしろ鈍化していたが、この点は若年健常者ではブレーキ反応に余裕があることを反映していると推測された。若年・高齢健常者では、危険場面走行中に左右前頭葉前方部、外側領域を中心にNIRSにおける広汎な酸化thの上昇を認めた。患者群全体では、アクセル→ブレーキ反応のピークが鈍で、運転行動にメリハリがなく、また右前頭葉最前部の外側領域の酸化Hb上昇が不良であった。以上の結果からは、運転行動中の行動指標とNIRSの賦活反応性とを総合的に評価することで、被験者の運転安全性を検討し得る可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)