2005 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠覚醒リズム障害に対するビタミンB12の治療効果発現機序に関する研究
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16591165
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 洋 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (20151532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山寺 亘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50230496)
小曽根 基裕 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50246386)
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Keywords | ビタミンB12 / CAP(cyclic alternating pattern) / PVT(Psychomotor vigilance task) / 徐波睡眠 / SSS(Stanford Sleepiness Scale) / 精神生理性不眠 |
Research Abstract |
近年Terzanoらにより提唱されたCyclic alternative pattern(以下CAP)は、睡眠の不安定さを示し、不眠症患者では健常者と比較して有意にCAP率が高値(60-80%)であることが報告されている。 昨年度我々は、健常者を対象にビタミンB12(以下B12)の静脈内投与を行い、B12投与が徐波睡眠量を有意に増加させ、CAP率を低下させる可能性を示した。 平成17および18年度は、不眠症患者に対するB12の睡眠促進作用を検証することを目的に、精神生理性不眠症患者を対象としてB12静脈内投与を行い、PSGによる睡眠内容(R&K法)およびCAP率、さらに翌日の精神作業能力・主観的睡眠感に及ぼす影響について検討を行った。1)研究期間:プラセボおよびB12投与期間の各々1週間。2)薬剤:メチルコバラミン500μgもしくは生理食塩水1mlをPSG検査施行前の23時に単回静脈内投与。3)検査項目:a)アクチグラフ(活動量計)、b)光センサー(光被爆量)、c)睡眠日誌、d)ピッツバーグ睡眠調査票,e)B12の血中濃度および不飽和結合能、f)夜間PSG(R&K法及びCAPにより解析)、g)精神作業能力:PVT(psychomotor vigilance task)、h)セントマリー病院睡眠質問票、i)VAS(visual analog scale) 平成17年度は当大学倫理委員会の承認のもと、実験目的および方法につき十分な説明を行い、口頭および文書にて同意を得た5例の被験者(女性5名:平均年齢32.2±5.9歳)を対象に太田総合病院睡眠センターにて延べ10件の測定を施行した。 来年度(平成18年度)は、さらに3例の被験者を追加し、統計学的処理を加え、B12の作用を検証する予定である。
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