2004 Fiscal Year Annual Research Report
慢性ストレスの病態に関与する新規遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
16591168
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
今城 俊浩 日本医科大学, 老人病研究所, 助教授 (50183190)
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Keywords | 慢性ストレス / 慢性疼痛 / グルココルチコイド / ACTH |
Research Abstract |
慢性疼痛ストレスでのグルココルチコイドのフィードバックの検討 1)Wistar系雄ラットに坐骨神経部分結紮(Zelzer法;Liagtion群)と偽手術(Sham群)を行い、術後4週目に、痺痛実験を行なった。Randall-Sellito testで測定した機械的刺激に対する閾値、Mastard oil塗布による化学的刺激に対する閾値はLigation群でいずれも有意に低下した。また、Ligation群ではアセトン塗布による寒冷刺激に対して疼痛関連行動が惹起され、アロディニアが成立していた。疼痛実験の翌日、溶媒或いは、デキサメサゾン0.5、1.0、4.0μg/100g BWを腹腔内投与後2時間で断頭採血し、血中ACTH、コルチコステロンを測定した。いずれの投与量でも、血中ACTH、コルチコステロンは、溶媒群に比較してデキサメサゾン投与群で有意に低下した。しかし、血中ACTH、コルチコステロン濃度は、Ligation群とSham群で有意差は認められなかった。 2)Ligation群、Sham群でのグルココルチコイド受容体(GR)、ミネラロコルチコイド受容体(MR)蛋白の海馬(視床下部)での発現を免疫染色法で解析した。GRは海馬の主にCA-1,CA-3領域で発現し、MRはCA-1-4の全領域で発現していた。Ligation群とSham群とで、GR、MRの発現量に差は認められなかった。 今年度の研究により、慢性疼痛下では急性ストレスに対する視床下部-下垂体-副腎系の反応亢進が見られるが、これはグルココルチコイドの負のフィードバックが減弱しているためではないことが明らかとなった。
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