2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規低酸素マーカー[18F]FRP170による脳虚血域中の生存域検出
Project/Area Number |
16591180
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸岡 伸 東北大学, 医学部, 教授 (90173947)
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Keywords | ニトロイミダゾール誘導体 / ラット / 局所脳虚血 / 中大脳動脈閉塞 |
Research Abstract |
(研究目的)[18F]FRP170はPET用診断薬であり、低酸素領域に特異的に集積する性質をもつnitroimidazole誘導体に属する。この壊死領域には集積せずに虚血域中の生存領域に強く集積する性質を利用して、脳虚血性ペナンブラを陽性像として描出することが目的である。 (研究方法)中大脳動脈閉塞モデルラットを作成して、閉塞数時間後に放射線低酸素マーカーである[18F]FRP170を頸部静脈より静注する。その30分後に血流製剤[14C]IAPを静注して麻酔下に断頭と殺する。薄切脳切片を2核種同時オートラジオグラフィーの手法で画像化した。脳血流低下域における[18F]FRP170の集積度を調べた。 また、1〜2mm厚の脳切片をTTC(2.3.5-Triphenyltetrazolium Chrolide)で染色して梗塞域と健常部を染め分けて組織学的な検討も行った。 (研究成果と今後の課題)オートラジオグラムにおいて脳血流製剤で軽度から中等度の血流低下を呈した領域には[18F]FRP170で集積亢進域が認められた。虚血性ペナンブラなどの虚血域中の生存領域に強く集積しているものと推測された。また両薬剤とも高度集積低下ないし集積欠損を呈した領域も認められた。こちらは梗塞巣あるいは血流が遮断された部位と推測された。 TTC染色では基底核や深部白質の高度血流低下域は染色不良を呈し、[18F]FRP170における高度集積低下域や集積欠損域に相応していた。梗塞巣や血流が遮断された部位と推測された。 しかし脳皮質の一部ではTTC染色と[18F]FRP170の集積に乖離が認められた。オートラジオグラフィーとTTC染色に用いたラットは別個体であり、個体差に起因する所見であるとも考えられる。実験手技は煩雑になるが今後は同一個体での検討を予定している。 また[18F]FRP170とベンゾジアゼピン受容体イメージ製剤[125I]iomazenilとの2核種同時オートラジオグラフィー等も予定している。
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