2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591182
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高田 義久 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (00134205)
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Keywords | 重荷電粒子線 / Bi-material bolus / 照射野の平坦度 / リッジフィルター / 2次元コーンフィルタ / SOBP / 陽子線 / 炭素線 |
Research Abstract |
(1)[Bi-material bolus] Bolus挿入で生じる線量分布の悪化をBi-material bolusを使い改善することを試みた。Bolusを通過した290MeV/u炭素線や160MeV陽子線のBroad beamが作る水中での2次元線量分布(水平方向と深さ方向)をHIMACのビームを使って測定した。従来型のSingle-material bolusを使った場合には、厚さの異なるBolus要素境界に対応した場所で大きな線量Rippleが観測された(線量の不均一が10%p-pを越える場合もある)。一方、同一深さにおける散乱を制御したBi-material bolusを使った場合には、線量のRippleは大幅に減ったが緩やかな線量変化が観測された。解析の結果、High-Z物質による散乱効果が大き過ぎることが分かった。Bi-material bolusの散乱による横方向の拡がりを計算する際に、ある深さの線量に寄与する複数のBragg曲線の集合が作る横方向の分布(異なるガウス分布の重ね合わせ)を曲線フィットして求めた拡がりパラメータを用いるべきことが分かった。これにより新たなBi-material bolusの設計指針が得られ、Bi-material bolus通過後の線量均一性の改善に対する見通しを得た。またBolus要素の厚さの変化が2cm以下であれば均一物質で作成された従来のBolusでもさほど大きな線量不均一が生じないことも確認された。 (2)[リッジフィルタ/2次元コーンフィルター] 低エネルギー領域で見られるRidge filterの挿入による散乱効果で線量分布が悪化するのを緩和するには低原子番号物質(アクリル等)を用いることが有効だが、SOBP幅が大きくなると工作限界により実現が難しい。そこで2次元コーンフィルタでこれを実現することを目指し、GEANT4を使ったMonte Carlo計算により線量分布の改善などその実現可能性を示した。実際に2次元コーンフィルターの設計製作を行い実現できることを確認した。また散乱効果を含めた場合の、3次元線量分布の最適化(照射野の中心部分だけでなく周辺部分も含めて3次元線量分布の不均一の平準化)のための、SOBPフィルタ設計法を明らかにした。更に、3次元線量分布の最適化には、2重散乱体パラメータも含めた最適化が効果的であることを示した。
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Research Products
(2 results)