2005 Fiscal Year Annual Research Report
陽子線治療におけるレンジ走査式ディスタル形状位置検出器の基礎的開発研究
Project/Area Number |
16591183
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安岡 聖 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50200499)
|
Keywords | 陽子線治療 / CCDカメラ / シンチレータ / 線量分布 / 測定深 |
Research Abstract |
形状位置検出器部の動作試験、及び測定深制御部の製作と動作試験を行った。加速器から受信するビーム出射ゲート信号(TTL)を形状位置検出器部のカメラコントローラ用トリガー信号として使用し、2秒周期のスピル毎にシンチレータ上の画像を撮影しPCに取り込む試験を行い、正常動作を確認した。測定深制御部の並進型クサビ形レンジシフタ(WLS)に対する制御は、レンジ変更に必要な移動データを制御用ペンダントにプログラムすることで、手動で行った。トリガー信号による自動実行システムの構築は次期年度に行う予定である。筑波大学陽子線医学利用研究センターの照射室2(G2)において、155MeV陽子ビームによる基礎データ収集と解析を行った。回転ガントリーの回転中心(アイソセンター)に指頭型線量計(M3)を、その直下流にシンチレータ板(SciCCD)をビーム軸に対し約50度傾けて設置し、M3及びビームライン上の線量モニターM2の線量計測と同時に、5m離れたCCDカメラによりSciCCD画像を収集する。WLSによりレンジを変えて得られた深部線量分布比較により、シンチレータ光量に対するクエンチング効果を評価した。ディスタル端より15mmまでの高LET領域で光量減少が認められ、ブラッグピークで最大約15%の減少であった。また、拡大ブラッグピーク(SOBP) 50mmフィルタを用いた実際の治療照射条件で、患者ボーラス及びコリメータを使用して得られた3次元線量分布をM3とSciCCDで測定し、さらに治療計画による計算結果と比較検討する試験を行った。今後は、この試験結果を基にクエンチング効果の補正関数を構築し、さまざまな照射野に対する線量分布の比較をSciCCD、M3及びイメージングプレート(IP)を用いて行う予定である。
|