2006 Fiscal Year Annual Research Report
陽子線治療におけるレンジ走査式ディスタル形状位置検出器の基礎的開発研究
Project/Area Number |
16591183
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安岡 聖 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (50200499)
|
Keywords | 陽子線治療 / CCDカメラ / シンチレータ / 線量分布 / 測定深 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、筑波大学陽子線医学利用研究センターの照射室2(G2)において陽子ビームによる基礎データ収集と解析を継続した。回転ガントリーの回転中心(アイソセンター)に指頭型線量計(M3)を、その直下流にシンチレータ板(SciCCD)をビーム軸に対し約50度傾けて設置し、M3及びビームライン上の線量モニターM2の線量計測と同時に、5m離れたCCDカメラによりSciCCD画像を収集した。並進型クサビ形レンジシフタ(WRS)によりレンジを変えて得られた深部線量分布比較により、シンチレータ光量に対するクエンチング効果の再確認をした。ディスタル端より15mmまでの高LET領域で光量減少が認められ、ブラッグピークで最大約15%の減少であった。また、拡大ブラッグピーク(SOBP)50mmフィルタを用いた実際の治療照射条件で、患者ボーラス及びコリメータを使用して得られた3次元線量分布をM3とSciCCDで測定し、さらに治療計画による計算結果と比較検討する試験を続行した。これに関する他の測定器による結果の比較については、今後も引き続き継続し統計量を多くすることが必要である。また、シンチレータ板とCCDカメラを応用して、陽子線治療用ガントリーに対するアイソセンター確認システムを開発し、その精度評価を行った。その結果、従来の方法と同程度の±0.1mmの精度でアイソセンターの位置決定ができ、数時間の測定時間を30分程度に短縮できることを確認した。さらに、シンチレータバーとCCDカメラの応用により、陽子線ビームに対するスピル間のレンジ変動とビーム強度の相関関係を確認した。これに関しては引き続き研究を継続する予定である。
|
Research Products
(2 results)