2004 Fiscal Year Annual Research Report
放射性薬剤の効率的なスクリーニングを可能とする生体組織切片アッセイ法に関する研究
Project/Area Number |
16591184
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
飯田 靖彦 群馬大学, 医学系研究科, 助教授 (60252425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織内 昇 群馬大学, 医学系研究科, 助教授 (40292586)
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Keywords | 神経受容体 / 結合親和性 / 脳組織切片 / 脳スライス / デオキシグルコース / アセチルコリン受容体 / 受容体結合性 |
Research Abstract |
神経受容体に作用する薬物の開発においては、受容体への結合親和性を正確に評価することが重要となる。そこで、化合物の正確なスクリーニングを目的として、脳組織切片を用いて、生体内に近い環境で受容体への結合性を調べることを試みた。まず、インビトロ実験系において、脳切片が生きた状態で維持される条件について検討した。すなわち、ラット脳を摘出後、マイクロスライサーにて素早く厚さ300μmの切片を作製し、95%O_2、5%CO_2混合ガスを通じた冷却Krebs-Ringer溶液中に浸した。37℃でプレインキュベーションした後、[U-^<14>C]-2-デオキシグルコース(DG)を加え、さらに45分間インキュベーションした。脳スライス内に残存する未代謝の[U-^<14>C]-DGを洗浄後、各部位における重量および放射能を測定し、[U-^<14>C]-DG取り込み量を算出した。グルコース存在下で、スライス調整後の時間での[U-^<14>C]-DGの取り込み量を比較した結果、少なくとも5時間までは[U-^<14>C]-DGの取り込み量に違いがないことが認められたことから、この時間内であれば、本実験系を用いることにより、生体内に近い環境での受容体結合性を評価できる可能性が示された。一方、受容体結合性を評価する化合物の開発も行った。記憶、学習、認知などの脳機能への関与が示唆されているニコチン性アセチルコリン受容体を対象として、最近開発された3-(2-(S)-azetidinylmethoxy)pyridine(A-85380)の誘導体を合成し、そのインビボでの受容体結合性について検討した。その結果、得られた誘導体がインビボでニコチン受容体に高く結合することを認め、本誘導体を用いてインビボとインビトロでの結合性について比較検討できる可能性が示された。
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Research Products
(4 results)