2005 Fiscal Year Annual Research Report
放射性薬剤の効率的なスクリーニングを可能とする生体組織切片アッセイ法に関する研究
Project/Area Number |
16591184
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
飯田 靖彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60252425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織内 昇 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40292586)
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Keywords | 神経受容体 / 受容体結合性 / 脳組織切片 / セロトニントランスポーター / ^<11>C-DASB / PET |
Research Abstract |
現在行われているラジオレセプターアッセイでは、受容体を単離し、多くの場合低温で化合物との結合性を評価しているため、生体内に存在する神経受容体とは異なる構造をとっている可能性が考えられる。一方で、スクリーニングに用いる場合、インビトロで、簡便な操作により受容体結合性を評価できることが望ましい。そこで、本研究では、脳組織切片を用いることにより、生体内に近い環境での化合物との結合性を確保しつつ、インビトロで、簡便な操作により受容体結合性を評価できるアッセイ法の確立を目標とした。すなわち、インビトロ、インビボでの受容体結合性と今回確立するアッセイ法での結果を比較することにより、有用性を評価することとした。本年度は、昨年度に引き続き、受容体結合性を評価する化合物の開発を行った。セロトニン(5-HT)神経は気分障害、不安障害、強迫性障害、片頭痛、薬物依存、統合失調症、自閉症等の病態や情動および人格傾向に関与していると考えられている。神経終末から放出された5-HTは、脳内セロトニントランスポーター(SERT)によりシナプス間隙から速やかに除去されて神経伝達が終息されるが、様々な精神疾患の治療に広く用いられている抗うつ薬SSRIの効果発現がSERTにおける5-HT再取り込み阻害能に起因することから、その解析が様々な精神神経疾患の病態解明、新規治療薬の開発に利用できるものと期待される。そこで、SERTに選択的な結合性を有する[^<11>C]DASBを合成し、健常者および精神神経疾患患者を対象に、そのインビボでの受容体結合性についてPETを用いて検討した。その結果、[^<11>C】DASBがインビボでSERTに高く結合することを認め、本放射性薬剤を用いてインビボとインビトロでの結合性について比較検討できる可能性が示された。
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Research Products
(1 results)