2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体ホルモンの作用標的特異性放射線防護効果を導入した新しい放射線療法の開発
Project/Area Number |
16591186
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊東 久夫 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20095574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 哲也 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (60234077)
宇野 隆 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30302540)
磯部 公一 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (80334184)
山本 正二 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (40302567)
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Keywords | 放射線防護 / メラトニン / 放射線感受性 / 線維芽細胞 |
Research Abstract |
悪性腫瘍の治療には種々の治療法が適用でき、腫瘍の部位、組織型、病期および患者の背景因子等を考慮して治療法が選択される。最近は治療後のQuality of Life (QOL)を十分に考慮した治療が重要視され、機能および形態を保つことができる放射線治療の役割は一層重要になると予想される。本研究では、生体内正常ホルモンであるメラトニンを用いて、X線および炭素線に対する放射線防護効果と、ヒト正常線維芽細胞、ヒトリンパ球、癌細胞におけるレセプター発現の関係を検討し、マウスを用いて動物実験で効果を確認することを目的として研究を開始した。さらに、放射線誘発癌と関係する被ばく後の突然変異発生率を、メラトニンが有意に低下させる効果があるかを検討することとした。 本研究の目的を達成するため、本年度は以下のような実験を行い成果を得た。(1)7種類のヒト線維芽細胞(ataxia telangiectasia細胞を含む)にX線および290MeV/n(低LET領域の13keV/μmと高LET領域の50keV/μmを用いる)の炭素線照射を行い、コロニー法によりそれぞれの細胞の放射線感受性を決定した。(2)ヒト由来の扁平上皮癌、腺癌を用いて1と同様に放射線感受性(LET依存性)を決定した。(3)ヒト線維芽細胞、および癌細胞に対するメラトニンの放射線防護効果を検討するため、0.5mM,1mM,2mMのメラトニンを溶解した培地で37度20分間培養し、X線および炭素線照射を行った。メラトニンの放射線防護作用は、正常細胞に比べて癌細胞では低い結果がえられた。これはX線照射と炭素線照射の両者に同様な傾向が見られた。来年度は照射後の細胞における染色体の突然変異発生率、およびマウスの全身照射に対する生存率から、メラトニンの防護効果を検討する予定である。
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Research Products
(5 results)