2004 Fiscal Year Annual Research Report
画像認知学的手法に基づいた乳癌検診のカテゴリー分類の妥当性に関する研究
Project/Area Number |
16591200
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
島本 佳寿広 名古屋大学, 医学部, 教授 (70178961)
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Keywords | 乳癌 / カテゴリー判定 / カッパ解析 / 乳腺超音波 |
Research Abstract |
日本乳腺甲状腺超音波診断会議(JABTS)の乳腺腫瘤像形成性病変の乳癌検診用カテゴリー判定(良性,良性の可能性が高い,悪性の疑い,悪性の4段階)にしたがって,超音波画像100例の判定を26名で行った。カテゴリー判定が全員一致した症例は1症例のみであった.60%以上の読影者(16/26)が同じカテゴリーをつけた症例は61例であった.これを2段階評価(良性,悪性)で読み替えると,60%以上の読影者が同じカテゴリーをつけたのは82症例であった.観察者間の一致度をカッパ値でみると,4段階では0.197,2段階では0.351であった。 カテゴリー判定の再現性をみるために,50例を2回読影した。判定の再現性におけるカテゴリー判定のカッパ値は,4段階では0.454,2段階評価では0.580で,統計学的に中程度の再現性を認めた。1回目と2回目の読影で,4段階評価において読影者全員が同じカテゴリー判定をした症例はなかった.2段階評価とすると,5症例で全員が同じ判定をした。 各読撮影者のカテゴリー判定とそれに対応するROC解析の連続確信度の%を対比すると,各読影者ごとにそれぞれ異なった確信度のスケールでカテゴリー判定をしていることが判明した.しかし,読影者全体で確信度の平均値はJABTSのカテゴリー分類の定義とよく一致していた。カテゴリー判定は,カテゴリーを細分化すると一致度が悪くなるが,現行のJABTSの基準は,不特定多数が使用することを想定しても,概ね平均的な確信度を表現できていると考えられる。
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