2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳梗塞超急性期におけるMRIを使用した実用的脳循環代謝評価法の確立
Project/Area Number |
16591211
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三原 太 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (80253615)
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Keywords | 脳循環 / 脳梗塞 / MRI / 灌流画像 / 拡散強調画像 / 平均通過時間 |
Research Abstract |
脳虚血超急性期におけるMR灌流画像の有用性の検討を以下のごとく行った。 これらの内容は日本医学放射線学会(2004年4月、横浜)および北米放射線学会(2004年11-12月、Chicago)において発表した。 目的:脳虚血超急性期(発症24時間以内)において、MR灌流画像の一つであるMTT(平均通過時間)画像から得られるパラメータによる最終梗塞域の予測能の評価を行うこと。 方法:脳虚血超急性期の患者13名(男性8名,女性5名,年齢35〜88歳,平均66歳)を対象とした。MTT画像による異常灌流域を、拡散強調画像、最終梗塞巣と比較し中心部から、領域1:拡散異常・最終梗塞(Core)、領域2.:灌流異常・最終梗塞、領域3:灌流異常・梗塞なしに区分し、対側の正常灌流域をコントロールとして評価した。MR灌流画像はsingle-shot GRE-EPI法を使用し、体重あたり0.05mmol/kgのGd-DTPAと20mLの生食水を肘静脈から2mL/秒の速度で急速静注し、first-moment法によりMR MTT画像を作成した。拡散強調像はsingle-shot SE-EPI法を使用した。画像解析ソフトにDr.Viewを使用し、各領域のMTT値、MTT値の対側との差および比の3パラメータを検討した。 結果:MTT値は、領域1:9.6±2.5秒、領域2:10.3±2.5秒、領域3:8.5±0.8秒、対側:7.3±0.8秒であった。対側とのMTT差は各々、2.3±2.0秒、2.9±1.7秒、1.3±0.5秒で、MTT1比は各々、1.3±0.3、1.4±0.2、1.2±0.07であった。MTT値、MMT差、MTT比の3パラメータはともに4領域の違いに有意差が認められ(ANOVA, p<0.001)、また、領域2と領域3の間にも有意差を認めた(p<0.05〜0.01)。 結論:脳虚血超急性期において拡散強調像との組み合わせにおり、MR MTT画像から得られるMTT値、MMT差、MTT比の3パラメータはともに、最終梗塞域を予測するpotentialがあると思われる。
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