2004 Fiscal Year Annual Research Report
PET検査に伴う患者、介護者および医療従事者の被ばく管理に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16591228
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
日下部 きよ子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80075473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 千里 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90192070)
百瀬 満 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (14770478)
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Keywords | PET / FDG / 医療被ばく / 放射線防護 / 被ばく線量 / 遮蔽物 / 小型線量計 |
Research Abstract |
PET核種(511keV、γ光子)の検出感度・定量性について、PETカメラ、並びに小型検出器を用いて評価した。さらに、医療従事者の被ばくについて小型線量計を用いて放射能を実測し、作業内容と被ばく線量との関係を調査した。 PETカメラ、小型検出器を用いたF-18の検出能は、経時的に測定した線量率減衰曲線において測定限界値を示す13時間後まで片対数グラフで直線性が保たれており、物理的半減期に近い半減時間となった。ポジトロン核種であるF-18の鉛半価層は4.1mm、タングステン半価層は2.61mmであり、通常核医学診療に使用されている0.5mm鉛含エプロンの遮蔽効果は約6%と低く、放射線防護には役に立たないことが判明した。35mm厚の鉛防護衝立のFDG点線源からの遮蔽効果は88%、そして注射器遮蔽シリンジでは6mm厚タングステンで52%と高い結果を示し、臨床ではこれらを適宜使用しながら作業することとした。また、PET診療に携わる作業者は、予め放射線防護の教育・研修、実地訓練を受けた上で従事した。 FDGを投与する医師の平均被ばく線量(μSv)(n=31)は、胸部で0.58、腹部で0.38となり、腹部では35mm厚鉛衝立の遮蔽効果が高かった。PET撮像時の放射線技師の平均被ばく線量(μSv)は、二人作業で0.29μSv(n=50)となり、一人作業(0.77μSv, n=17)の場合の約半分であった。これらセットアップに介助を要する車椅子使用患者では1.29μSv(n=11)と明らかに高い被ばく線量となる他、煩雑さを伴う脳や心臓のPET検査においても1.34μSv(n=8)と高値を示した。がん診療に不可欠な検査として普及しているFDG-PETの施設では、多くの症例をこなすことが多く、線源となる患者を念頭に置いた安全管理の体制を構築し、医療従事者の低線量被ばくの防護に努める必要がある。
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Research Products
(2 results)