2005 Fiscal Year Annual Research Report
PET検査に伴う患者、介護者および医療従事者の被ばく管理に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16591228
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Research Institution | Tokyo women's Medical University |
Principal Investigator |
日下部 きよ子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80075473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 千里 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90192070)
百瀬 満 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40312029)
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Keywords | PET / FDG / 医療被ばく / 放射線防護 / 被ばく線量 / 遮蔽物 / 小型線量計 |
Research Abstract |
PET検査に伴う医療従事者の被ばくについて小型線量計を用いて実測し、作業内容と被ばく線量との関係を調査した。これらの基礎的実験として、成人全身ファントムを用いてF-18線源の1cm線量等量率の評価を行った。計測には、シンチレーションサーベイメータ、並びに電離箱式サーベイメータを使用した。 1cm線量等量率の分布は放射能分布の偏り、ファントム内の自己吸収の影響を受け、FDG/PETでは縦方向、頭側方向、尾側方向の順で減少した。容積線源において、これらの影響を受けず、また、サーベイメータの立体角、方向依存性の影響を受けない安定した1cm線量等量率を計測するには200cm以上距離を置く必要があることが判明した。さらに、人体ファントム周辺の平面分布の測定結果から、1cm線量等量率が10mSv/hr以下となるのはファントム表面から100cm以上の距離、5mSv/hr以下になるのは200cm以上の距離を開けた地点であることが明らかとなった。PETカメラ、小型検出器を用いたF-18の検出能は、経時的に測定した線量率減衰曲線において測定限界値を示す13時間後まで片対数のグラフで直線性が保たれており、物理的半減期に近い半減時間となった。FDGを投与する医師の平均被ばく線量(μSv)(n=31)は、胸部で0.58、腹部で0.38となり、腹部では35mm厚鉛衝立の遮蔽効果が高かった。PET撮像時の放射線技師の平均被ばく線量(μSv)は、二人作業で0.29μSv(n=50)となり、一人作業(0.77μSv,n=17)の場合の約半分であった。これらセットアップに介助を要する車椅子使用患者では1.29μSv(n=11)と明らかに高い作業者の被ばく線量となる他、煩雑さを伴う脳や心臓のPET検査においても1.34μSv(n=8)と介助をする作業者の被ばく線量が高値を示した。がん診療に不可欠な検査として普及しているFDG-PETを日常診療に取り入れている施設では、対象とする被検者数も多い。FDGの物理的特性を十分把握し、安全管理体制を築いて医療従事者の低線量被ばくに留意することの重要性が示された。
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Research Products
(2 results)