2005 Fiscal Year Annual Research Report
慢性内頸動脈閉塞性脳組織における最新機能画像の臨床的有用性についての研究
Project/Area Number |
16591238
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Research Institution | Research Institute for Brain and Blood Vessels -Akita (Research Bureau) |
Principal Investigator |
角 弘諭 秋田県立脳血管研究センター(研究局), 放射線医学研究部, 研究員 (10334830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 巌 秋田県立脳血管研究センター(研究局), 放射線医学研究部, 副研究局長 (10360356)
茨木 正信 秋田県立脳血管研究センター(研究局), 放射線医学研究部, 研究員 (40360359)
伊藤 浩 東北大学, 加齢医学研究所・機能画像医学研究分野, 講師 (20360357)
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Keywords | MTR / PET / MRS / 慢性脳虚血 / MRI |
Research Abstract |
15名の片側内頸動脈閉塞症(血管直径にして75%以上の狭窄を有する症例に限定)の患者を対象として、MR Spectroscopy(MRS), Magnetization Transfer Ratios(MTR)map, Positron Emission computed Tomography(PET)の測定を行った。まずMR装置にて、患者のMR Angiography(MRA)を施行し、片側内頸動脈閉塞症の確認と、その閉塞の状態や狭窄率を正確に把握した。次にT1強調画像,T2強調画像を撮影して、脳実質内にラクナ脳梗塞や脳萎縮以外の病変がないことを確認した。確認が終わった後、T1強調画像,T2強調画像のスライス面と同一面にMTRの元画像となるMO(MTパルス印加無し)とMs(MTパルス印加有り)画像を撮影した。これら一連のMR画像撮影が終わった後、病側と健常側に左右対称性に関心領域(Volume of Interests ; VOI)を設定し、MRSのデータを収集した。MRS, MTR測定後1時間以内にPET測定を開始。PET測定では、トレーサとして酸素15標識のC^<15>O, ^<15>O_2, H_2^<15>Oの3種類を用い、脳血液量(CBV)、脳血液量(CBF)、酸素代謝量(CMRO_2)、酸素摂取率(OEF)の一連の測定を1セットとして実施した。虚血の程度によりPETデータを基に、患者群をGroup 0,1,2に分類し、対応するMTR、MRS値の検討を試みた。その結果、Group0領域とは、PETデータ上、正常範囲内とみなすことができる領域のことであり、対応するMTR値及びMRS値とも正常値を示した。Group1に属する領域とは、rCBFが低下した分、rOEFが上昇することで代謝に必要な酸素を補いrCMRO2が維持されている領域であり、PET上、虚血ではあるがreversibleとみなせる領域のことであり、対応するMTR値はほぼ正常、Choは上昇傾向にあることが分かった。Group2に属する虚血領域は、rCBFがさらに低下、rOEFが上昇しても代謝に必要な酸素量を補いきれずrCMRO2も低下した部位であり、PET上、irreversibleとみなせる領域のことであり、対応するMTR値は低下を示し、MRS上もNAA値の低下,ChoはGroup1より低下傾向にあり、Lacも出現している領域も認められた。以上より虚血領域の分類はMTRとMRSでも分類できる可能性があることが示唆された。
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