2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高磁場MRIによる人脳内の興奮性及び抑制性神経伝達物質の無侵襲同時計測法の研究
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16591240
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
渡邉 英宏 独立行政法人国立環境研究所, 環境ホルモン・ダイオキシン研究プロジェクト, 主任研究員 (60370269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三森 文行 独立行政法人国立環境研究所, 環境ホルモン・ダイオキシン研究プロジェクト, 総合研究官 (90125229)
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Keywords | ヒト脳 / 興奮性神経伝達物質 / 抑制性神経伝達物質 / 磁気共鳴装置 / 無浸襲計測 |
Research Abstract |
本年度は、人脳内頭頂-後頭葉領域より、興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸と抑制性神経伝達物質であるGABA,およびグルタミンの分離検出を、人用4.7TMR装置を用いて実現することを目標として研究を実施した。 まず、測定方法の検討を行い、以下に着目した。すなわち、グルタミン酸C4HとグルタミンC4Hの^1H化学シフト差が0.1ppmであり、これが4.7T上で20Hzであること、およびGABAのC3HとC4Hとの磁気的結合が2D COSYによって交差ピークとして検出できることである。この点を鑑み、F_1方向にJ_<HH>をデカップリングすることが可能な2D Constant Time COSY (CT-COSY)によって分離検出が可能であると考えた。 続いて、上記方法を局所化した局所励起2D CT-COSY法を開発し、人用4.7T MR装置上に実現した。パルスプログラムを開発後、オシロスコープを用いてパルス動作の確認を行った。次に、本方法を用いて局所スペクトルが取得できることを、ファントム実験により確認した。 次に、人脳内の代謝物を模擬した脳模擬ファントムを作製し、上記方法によりこのファントムの局所スペクトルを取得した。この結果、グルタミン酸、グルタミンおよびGABAが検出できることが実証できた。特に、GABAに関しては対角ピークも検出可能であることがわかった。 次に、ボランティア測定を実施した。測定ボクセルは、人脳内の頭頂-後頭葉領域の27mlと設定し、測定時間を30分とした。この結果、局所励起CT-COSYスペクトル上で、グルタミン酸、グルタミンおよびGABAのピークが分離検出できた。 以上より、人用4.7T MR装置を用いて、局所励起2D CT-COSY法によりグルタミン酸、GABAおよびグルタミンを分離検出できることが実証できた。
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Research Products
(3 results)