2004 Fiscal Year Annual Research Report
癌性胸・腹膜炎に対する糖代謝酵素標的治療ワクチン療法
Project/Area Number |
16591246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
堤 荘一 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30323356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅尾 高行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40212469)
桑野 博行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90186560)
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Keywords | Autocrine motility factor / 膵臓癌 / 肝転移 |
Research Abstract |
癌細胞は分裂増殖能が高いため大量のエネルギーを要しており、正常細胞の数倍から20倍のグルコースを代謝していると言われている。Phosphoglucose isomerase(PGI)は、解糖系にも糖新生にも関与する糖代謝酵素であり、癌患者血清中の活性は上昇すると報告されている。Autocrine motilityfactor(AMF)は、悪性黒色腫細胞の培養液中に分泌される細胞運動促進因子として発見されたサイトカインであるが、PGIと同一な蛋白質であることが証明された。我々は、PGI/AMFが自己分泌型の成長因子であり癌の進展、転移に関与することを証明した。まず、ヒト膵臓癌細胞株MIA Paca-2細胞にリポフェクション法にてヒトAMF遺伝子を導入し強制発現させた。AMF強発現株では、親株と比べて約3倍のタンパクとmRNA発現を認め、その細胞運動能は亢進していた。また、ヌードマウスでの同所性膵臓癌転移モデルを用いた実験でも、AMF強発現株では肝転移と腹膜播種の割合が有意に高たった。これらの現象は、抗AMF特異抗体によって抑制された。MIA Paca-2のAMF強発現株ではE-カドヘリンの発現が減弱しており、これは転写因子であるSNAILを介することが証明された。また、ヒト膵臓癌組織を用いた免疫組織学検討でもAMFとE-カドヘリンの発現は逆相関を示した。以上の結果から、AMFのシグナル伝達を阻害することにより、癌転移を抑制できることがわかった。
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Research Products
(3 results)