2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体内における立体的肝組織構築の試みとその治療効果の検討
Project/Area Number |
16591269
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
大橋 一夫 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (40364062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 雅之 東京女子医科大学, 先端生命研究所, 助教授 (40267117)
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Keywords | 肝細胞移植 / ティッシュエンジニアリング / 組織工学 / 再生医学 / 肝再生 |
Research Abstract |
生体内に2次元的さらには3次元的な肝組織を作製することを最終目的として研究を進めた。平成16年度において開発した、組織移植のための生体内血管ネットワーク構築技術と温度応答性インテリジェント培養皿を用いた肝組織シート作製技術を融合し、これまでにない全く新しい生体内肝組織作製技術の開発を行った。 具体的には、マウスを用いた実験系において、平成16年度で開発した、血管内皮細胞増殖因子を徐放するデバイスをあらかじめ皮下空間に挿入する。約10日後にそのデバイスを抜去することにより血管網を周囲に伴う皮下空間を作製した。この経過中に、温度応答性インテリジェント培養皿を用い、平成16年度で至適化した条件にて同系マウス肝細胞を培養した。次に、培養温度を一時的に下げ、培養皿から自然に脱着させることにより行い、皮下空間に貼布し移植した。貼布移植した肝組織は、2次元的形態を有し、肝細胞間の結合を良好に保った肝組織であることを確認した。さらに、この作製肝組織を、200日以上の観察期間において安定維持させることに成功した。機能的評価として、各種蛋白発現、薬剤の取り込みと代謝さらには自己肝と連動した増殖的肝再生の面から評価を行ったところ、自己肝と同程度の肝特異的機能を有していることを確認した。 以上の結果から本実験において、肝細胞を利用して培養下にシート状2次元的組織を任意に作製し、これをもとに機能的肝組織を作製するという世界的に全く新しい肝再生医療技術を開発した。このシート状組織の積層化等によりより高機能化が期待されることから、我々はこの技術の臨床応用にむけてさらなる発展に向けて研究を計画している。
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Research Products
(8 results)