2004 Fiscal Year Annual Research Report
トールライクレセプターとTCR Vβレパトアによる遺伝子制御自然免疫構築の解析
Project/Area Number |
16591277
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
有賀 淳 東京女子医科大学, 医学研究科, 教授 (40221056)
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Keywords | トールライクレセプター / TCR Vβ / 自然免疫 |
Research Abstract |
(1)健常人末梢血単核細胞におけるトールライクレセプターの発現検索 健常人ボランティアの末梢血より単核細胞層を採取し、FITC標識抗CD3抗体、抗CD14抗体、抗CD56抗体とPE標識抗トールライクレセプター1〜9抗体によるtwo color染色を行って、CD3陽性T細胞、CD14陽性単球、CD56陽性NK細胞におけるトールライクレセプター1〜9の発現を解析した。CD3陽性T細胞では明らかなトールライクレセプターの発現を認めなかった。CD56陽性NK細胞ではトールライクレセプターの発現が弱く認められたが、明らかな発現としては確認されなかった。CD14陽性単球ではトールライクレセプター4を初め、強発現が確認された。自然免疫系における免疫細胞として、近年、NKT細胞とγδ型T細胞が発見され、注目されている。そこで、NKT細胞をα-GalCerで、γδ型T細胞をピロリン酸化合物で刺激培養して、NKT細胞及びγδ型T細胞を増殖させ、FITC標識抗TCR Vα24抗体もしくはFITC標識抗γδ TCR抗体とPE標識トールライクレセプター1〜9抗体によるtwo color染色を行い、フローサイトメーターにて解析を進めている。 (2)OK-432活性化単核細胞の免疫学的特徴解析 トールライクレセプター4は細菌のLPSなどPAMP物質を認識するが、そのひとつにOK-432がある。健常人末梢血単核細胞をOK-432で活性化し、増加する細胞群の免疫学的解析を行った。OK-432による活性化によりCD3陰性CD56陽性NK細胞分画の増加が認められ、細胞傷害活性の増強を認めた。このことは、OK-432をPAMP物質として認識したNK細胞にシグナルが入り、活性化増殖が生じたものと考えられた。同様にCD14陽性細胞に由来すると考えられる、INFγ、TNFα等のサイトカイン産生の増強が認められた。
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