2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規細径圧センサーを用いた胃切除後胆道内圧上昇のメカニズムの検討
Project/Area Number |
16591290
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
持木 彫人 群馬大学, 医学部, 助手 (80312883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑野 博行 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90186560)
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Keywords | 消化管運動 / 胆道内圧 / 細径圧センサー / 胆嚢収縮 / 空腹期 / 食後期 |
Research Abstract |
本実験は麻酔下実験と意識下実験よりなっている。本実験で用いる細径圧センサーは直径が1.5mmであり、イヌやヒトで胆管内に挿入が可能であり、通常のmanometryとは異なり、水を還流することなく、圧の測定が可能である。麻酔下実験では全身麻酔後、Vater乳頭より細径圧センサーを総胆管内に挿入し、圧測定を行った。総胆管の静止圧は6.5±2.3mmHgであり、CCKを投与することによって、胆嚢の収縮に伴って、総胆管内圧の軽度の上昇(静止圧より3.2mmHg上昇)が確認された。引き抜きで測定したVater乳頭の基礎圧は59±18mmHgであった。胆嚢摘出後にはCCKを投与すると、総胆管内圧の有意な低下が観察された。 意識下実験は、全身麻酔後、開腹し、Force transducerを胃体部、胃前庭部、十二指腸、空腸、胆嚢に逢着する。総胆管を一部切開し、細径内圧センサーを総胆管内に留置し、固定閉鎖する。実験は術後1週間後より、意識下に行った。空腹期には胃から始まるIMCが観察され、胆嚢収縮は十二指腸収縮に同期してtonic contractionを示した。胆管内圧は胆嚢収縮の際にも一定で、圧変化は空腹期には観察されなかった。空腹期の基礎胆道内圧は10.5±4.5mmHGであった。食後期には胃、十二指腸、空腸は律動的収縮を示し、胆嚢はTonicな収縮を示した。総胆管内圧は胆嚢収縮に伴って減少した。食事後の胆道内圧は17.3±4.2mmHGから1.3±0.5mmHGに減少した。 本研究のために作成した細径圧センサーで総胆管内圧が測定可能であった。空腹期に胆道内圧は一定あり、胆嚢収縮が起こっても圧の変動は無かった。これは胆嚢収縮と同時にVater乳頭の弛緩が起こるためと考えられた。食後期の圧低下は、食後期に十分な胆汁が十二指腸に排出されるためと考えられた。
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Research Products
(2 results)