2004 Fiscal Year Annual Research Report
包括的マイクロアレイ解析を基盤とした食道癌の診断・治療の新規標的分子の同定
Project/Area Number |
16591300
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井本 逸勢 (橘 逸勢) 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (30258610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲澤 譲治 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30193551)
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Keywords | 食道癌 / CGHアレイ / 組織アレイ / 発現解析 / 分子標的 |
Research Abstract |
ゲノムレベルから蛋白レベルまでのアレイ技術を集約したシステムの構築により、主に食道扁平上皮癌をモデルに「ゲノム一次構造異常の詳細な探索」を起点にとした「癌の個性診断」に必要十分な癌関連遺伝子を網羅的・体系的かつ迅速に同定しすることを目的に研究を進め以下の成果を得た。 1.CGHアレイ法による食道扁平上皮癌のゲノムコピー数異常の解析 これまでに収集した食道扁平上皮癌細胞株ならびにマイクロダイセクションにより特異的に癌細胞だけを採取した臨床検体を対象に、(1)癌関連遺伝子を中心に800の遺伝子に対応するBACをスポットしたゲノムアレイならびに(2)全ゲノムを4532クローンのBAC(平均0.7メガ塩基対)でカバーするゲノムアレイを用い、ゲノムコピー数異常を示す領域・遺伝子の探索を行い、既知のコピー数異常に加えて、微細な新規の増幅やホモ欠失領域を検出できた。 2.ゲノムコピー数異常領域からの標的遺伝子候補の同定と臨床病理学的並びに生物学的意義の解明 個々のゲノムコピー数異常が確認された領域について、標的遺伝子候補の解析を進めた。その結果、例えば2q22.1のホモ欠失領域から、ホモ欠失あるいはプロモータ領域のメチル化により高頻度に発現消失が起こるLRP1Bを食道癌抑制遺伝子候補として同定した(Sonoda et al.,Cancer Res.,2004)。本遺伝子の強制発現により食道癌細胞株に対する細胞増殖抑制作用を確認した。また、食道癌以外の癌においても同じアプローチにより増幅・ホモ欠失の標的遺伝子候補を探索し、定量的リアルタイムPCRや組織アレイによりそれらの発現解析を行なった(Takada et al., Cancer Sci., 2005)。
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Research Products
(6 results)