2004 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生多様性と選択性の解析に基づく癌転移制御の可能性に関する研究
Project/Area Number |
16591305
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
板倉 淳 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (10252032)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 秀樹 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30181316)
|
Keywords | 血管新生 / VEGF / 癌転移 / EG-VEGF / VEGF-C / neuropiline |
Research Abstract |
【概要】今年度は新規の血管新生因子であるEG-VEGFの臨床組織における発現とヒト膵癌細胞株における発現の解析と、膵癌において発現が確認されているVEGF、VEGF-Cとの発現についての相関を調べた。 【方法】通常型膵癌症例10例より採取した膵癌組織および正常膵組織について、RT-PCR法により血管新生因子VEGF、リンパ管新生因子VEGF-C、新規の血管新生因子EG-VEGFの発現を検討した。 【結果】VEGFは検索した全ての膵癌組織および正常膵組織においてその発現が認められ、同一症例中での膵癌組織と正常膵組織におけるその発現強度に差は認められなかった。VEGF-Cは膵癌組織10例中8例に発現が認められ、正常膵組織10例6例にも発現を認めたがいずれも同一症例中の膵癌組織に比べその発現は弱かった。EG-VEGFの発現形態はall or nonで、膵癌症例10例中9例にその発現が認められ、正常膵組織10例中4例にも発現を認め、同一症では膵癌組織および正常膵組織で発現の強度は同等であった。したがって、VEGFが癌組織、正常組織を問わず恒常的に発現されているのに対して、VEGF-C、EG-VEGFは膵癌組織においてより選択的かつ強度に発現されており、腫瘍血管新生において重要な役割を果たしている可能性が示唆された。 【展望】以上の結果から現在は、VEGF-CとEG-VEGF発現のregulatorとしての可能性からIL-1,IL-6といった炎症性サイトカイインの発現とestrogen、progesteron、estrogen receptor、progesteron recptorの発現とこれらの組織内局在についての解析を行っている。
|