2005 Fiscal Year Annual Research Report
5-アミノレブリン酸による消化器癌に対する光線力学的治療と転移診断の検討
Project/Area Number |
16591309
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 達郎 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90273185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 弘之 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00138033)
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Keywords | 光線力学療法(PDT) / 消化器癌 / 5-アミノレブリン酸(5-ALA) |
Research Abstract |
今年度は5-ALA PDTの抗腫瘍効果について動物実験で確認することとした。ヒト胃癌(腺癌)株MT-2の小腫瘍塊(150mg)をヌードマウス背部皮下に移植し、移植21日目に対照群(N=10)と治療群(N=10)の2群に分ける。対照群には生理食塩水0.1mlを、治療群には5-ALAを300mg/kg/0.1mlを各々全身投与し、投与3時間後にエキシマダイレーザーを100J腫瘍部に一門照射した。1週間後に動物を犠死させ、腫瘍重量を測定した。照射直前の推定腫瘍重量を基準にPDTによる腫瘍退縮率を計算した。PDT7日後の実測腫瘍重量は対照群0.58g(0.5-0.64g)、治療群0.26(0.12-0.36)gであり、各々の腫瘍退縮率は0.53vs0.28で有意な抗腫瘍効果(P<0.05)を確認した。フォトフリンPDTと抗腫瘍効果を比較するため、レーザーエネルギー量を変化させて抗腫瘍効果を検討した。レーザー照射エネルギーを50J,100J,150Jの3群(各群N=10)を設定し、前回同様のMT-2をヌードマウス背部皮下に移植後PDT治療を行った。腫瘍退縮率は50J:0.61,100J:0.31,150J:0.34であり、50J群に対して100J群、150Jが有意(P<0.01)な抗腫瘍効果の増強を示した。以上の実験から5-ALA PDTの実験条件をALA用量は300mg/kg、照射レーザー量を100Jとした。対照群、5-ALA群、フォトフリン群(フォトフリン:20mg/kg全身投与、投与24時間に100Jのレーザー照射)の3群(N=10づつ)を設定した。腫瘍退縮率は5-ALA群は0.40、フォトフリン群は0.16であり、フォトフリンが5-ALAに対して有意な抗腫瘍効果(P<0.05)を示した。以上の動物実験から5-ALA PDTの胃癌治療の臨床導入には否定的な結果となった。
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Research Products
(2 results)