2004 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌に対する癌抗原ペプチドワクチンと抗癌剤併用療法の開発-免疫化学療法臨床試験の標準化を目指して-
Project/Area Number |
16591324
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山本 光太郎 山口大学, 医学部, 助手 (50304481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 茂文 山口大学, 医学部, 講師 (60294633)
上野 富雄 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (70284255)
岡 正朗 山口大学, 医学部, 教授 (70144946)
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Keywords | 膵癌 / 免疫療法 / 化学療法 |
Research Abstract |
切除不能膵癌に対する臨床効果のある治療法の開発を目指して癌ペプチドワクチン療法とGemcitabine(GEM)による抗癌剤併用療法の第I相試験を施行している。本癌ペプチドワクチン療法は68種類の中から患者に適合したものを選択するテーラーメイド型である。本治療による免疫能の検討は、投与ペプチドに対する細胞性免疫を末梢血よりペプチド刺激で誘導したペプチド特異的細胞障害性Tリンパ球の抗腫瘍活性をIFN-γアッセイにて測定・検討し、投与ペプチドに対する液性免疫を血中のペプチド特異的抗体価をELISAにて測定・検討する。 対象は、1)切除不能及び術後再発膵癌患者であること、2)HLA-A2もしくは-A24を有し、使用する癌ペプチドワクチンに対してペプチド特異的末梢血リンパ球の反応または特異的抗ペプチドIgG抗体を認めること、3)十分な臓器機能を有し、文書でinformed consentが得られていること、などの条件を満たした症例である。 Primary endpointは安全性で、化学療法第I相試験に準拠し、外来治療を念頭にしてNCI-CTCのgrade3以上の非血液毒性および免疫療法を併用するためgrade2以上の血液毒性をDLTと定義し、毒性を評価する。Secondary endpointは臨床効果および投与ペプチドに対する細胞性免疫および液性免疫の検討である。投与方法はGEM点滴30分後に、患者末梢血の免疫反応に応じて事前に選択した最大4種類のペプチドワクチンを大腿部に皮下投与した。GEMは1000mg/m^2、週1回の3投1休を1クールとして、2クール8週を1コースとした。ペプチドワクチンは用量設定:1mg/ペプチド、2mg/ペプチド、3mg/ペプチドの毎週投与を行い、8週間投与を1コースとした。 これまで1例が登録された。有害事象はワクチン投与部発赤のみであった。臨床効果はPDであった。 今後症例を重ねて検討していく。
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