2004 Fiscal Year Annual Research Report
膵臓癌の腫瘍幹細胞分離と分子生物学的解析による新たな標的の検索の研究
Project/Area Number |
16591350
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
小林 謙之 獨協医科大学, 医学部, 講師 (90178343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 真一 獨協医科大学, 医学部, 助手 (60133279)
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Keywords | 膵臓癌 / 幹細胞 / 癌特異的幹細胞 / Nestin / SP細胞 |
Research Abstract |
発癌はモノクロナールの細胞から起源すると考えられるが、現在まで癌幹細胞の実態は不明である。近年、生体組織幹細胞の存在とその多分化能が次第に明らかになり、癌細胞のヘテロクローン集団にも癌特異的幹細胞(モノクローン)が存在し、その分化能に応じて生物学的悪性度が規定されているのではないかという仮説から、この源細胞の同定・抽出・標的とする事により、発育増殖様式をより解明でき、制御法が確立できれば治療応用に有効と考える。本研究は生物学的悪性度の強い膵臓癌幹細胞の同定、分離によりその性質を分子細胞学的解析し、又本細胞が、これまでヘテロクローン細胞集団に対して解析されてきた知見との相違検索を行い、癌幹細胞遺伝子を標的とした新しい選択的がん治療法の確立を目指すことを目的とする。また、組織幹細胞が本来の組織以外の細胞に分化するという可塑性もいわれ、膵臓前駆細胞が膵臓癌発生の標的ではと推定しているが、現状は不明であり本研究により解明できる可能性をもつ。 本年度の研究は、膵癌細胞株より幹細胞の同定・分離するいくつかの方法を計画し、検討を行った。幹細胞分離の同定法として、モノクローナル抗体を用いた免疫染色法、FACSおよびRT-PCR法を用いて既知発現遺伝子について解析した。未分画細胞の免疫染色によるサイトケラチン(CK)およびEMA抗原の発現は、個々の細胞株により染色度合いは異なるが、ほとんどの細胞株に発現されていた。Nestin (NT)は少数の細胞に観察された。RT-PCR法においては、現在Bim-1,NT,NGFR,NT,ABCG2,Brm,の発現を検討中である。 幹細胞分離・同定法に関しては、FACSによるSide Population(SP)細胞の同定のほか、磁気細胞分離法、colony形成法を用いて現在検討中である。SP細胞は数パーセントの少数の存在が確認できた。
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