2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト大腸癌細胞におけるD4GDIの細胞膜局在化と悪性進展
Project/Area Number |
16591368
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
前田 雅代 金沢医科大学, 医学部, 助手 (30199632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 隆英 金沢医科大学, 総合医学研究所, 助教授 (10152141)
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Keywords | RhoGDI / LyGDI / RhoGDI2 / D4GDI / 転移 / 大腸癌 / Rho / 細胞膜 / 細胞間接着 |
Research Abstract |
MDCK細胞(正常上皮細胞)および8種類のヒト大腸癌細胞株において、D4GDIやRhoファミリータンパク、各種接着分子を免疫蛍光染色し、共焦点レーザー顕微鏡で観察し、細胞内局在を検討したところ、MDCK細胞や上皮様形態を保つ大腸癌細胞株(DLD-1)ではD4GDIは細胞間のapical側のtight junctionと思われる部位に局在することがわかった。D4GDIの細胞間への局在は、タグ付D4GDIの移入実験でも確認できた。上皮様形態を喪失した大腸癌細胞株では、D4GDIの細胞間への局在は観察されなかった。また、D4GDIが細胞間に局在する細胞株でもRhoA,Racl,Cdc42の細胞間局在は観察されなかった。一方、Actin fiber,E-cadheri,β-cateninの一部分は細胞間でD4GDIと共局在したが、Ezrin,Radixin,Moesin,NF2はしなかった。また非常に興味あることに、調べた全ての細胞株のM期において、D4GDIはcentrosome付近に局在した。 これらの結果から、D4GDIが大腸やその他の器官の上皮細胞において細胞間のtight junctionの形成や維持、さらには細胞極性にも関係していることが示唆された。我々は線維芽細胞を用いた系で、C末欠失(Δ166-201)D4GDIに転移誘導活性があることを報告してきたが、wild type D4GDIは上皮系の癌では転移抑制遺伝子としても報告されている。上皮性癌ではD4GDIの機能の異常が細胞接着や極性を乱し、悪性進展に関わっているのかもしれない。
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Research Products
(2 results)